二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -存在の証- ( No.83 )
- 日時: 2012/07/06 21:52
- 名前: ラン (ID: qs8LIt7f)
第十三夜 -言葉の重み-
ルークは、ロードが最後に残した言葉が気になっていた。
「ルークは一人で旅をしてる。でも、ルークのお父さんも、一人で旅をしてる。」
意味がわからなかった。自分の父も自分と同じ人生を歩んでいるのか。それとも一人で何処かに、千年伯爵の命令で行っているのか。何もわからない。
「教えてくれよ」
—誰か...俺の生きる意味を教えろ。母の病に気がつかなかった。それは俺が殺したに等しい。俺は殺人器なんだ。産まれてはならないのに産まれてしまった。それだけで罪なのにもかかわらず。幼い頃にまた...罪を犯した。母を殺したという罪を。俺の存在の意味はあるのか。
そんな暗闇にくれるなか、ルークは交換ノートの○月△日を開いた。それは、アレンと共に修行生活を送っていた日々。
その日に、アレンに言われた言葉が記されていた。
「俺...生きてる意味ないよ。何の為に産まれてきたんだろ」
「世界を」
「?」
「世界を。アクマを。人を守るために産まれてきたんですよ」
短い会話がそこに記されていた。でも、思い出せない。イノセンスという魔が俺の記憶を食らう。その記憶と、ルークの心の闇がシンクロ率へと繋がる。
「ばかばかしい」
そんな言葉、ルークは信じていない。人は誰でも口では簡単に言える。嘘が言える。何が真実なのか。詳しく調べなければわからない。それが人間の恐ろしいことだ。
—俺ハ人?アクマ?.........<何者>ダ?
ただ夜の街を一人歩く。ひたすら前に進む。そんな時、町中に時計の模様が映った。家・壁・道路全てが。時計に侵食していた。
「っ!!」
足に激痛が走った。イノセンスに直接触れたからなのだろう。壁に手をあずけるにしても、手まで激痛が走る。この街に入る時に出来た傷が疼く。なぜこんな目にあわなければいけないのだろうか。
直に模様は消え、ルークの痛みも少し経って消えていった。
「...............頭痛い」
任務がこれ程厳しいとは予想外だったらしい。なんせ初任務だから仕方ない。でも、初任務早々仲間とはぐれるのは明らかにおかしい。
—それ程俺が足でまといって事か
ルークの心の闇が大きくなる。それと同時に、王様ゲームの罰も大きくなっていく。強くなればなるほど人を傷付ける。
「アレン・ウォーカーに命令。2時間以内にルークの元へ戻る。命令に従わなかったら罰を与える」
ルークはまだそれを理解していない。