二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: D.gray-man -存在の証- ( No.87 )
- 日時: 2012/07/13 19:45
- 名前: 快李 (ID: qs8LIt7f)
第十五夜 -闇の少年が-
ルークが眼を覚ましたときは、真夜中だった。ふと思う。
「ここは...?」
自分が何しにここへきたのか。どこへ来たのか。イノセンスに記憶を喰われ、目的を失ってしまった。ふと日記を思い出し、急いでノートを取り出す。
—巻き戻しの街...アレンとリナと一緒に任務に来たのか。
どうして自分が記憶を失っていくのか。そんな事は知らない。
「...三人での任務か......」
—探すか
街中をほっつき歩いていると、一人の叔母さんが叫んでいた。助けて...助けて。怪我人がいると...。
「...」
「そこの君!お願い!大怪我してる人がいるの!助けて!!」
その時、おばさんが小声で言った事を...ルークは聞き逃さなかった。「アレンくんと...リナリーちゃんが...!!」
「部屋...案内しろ」
「は...はい!」
—大怪我をさせたのは...大体は予想がつく。ロード・キャメロット。俺の叔母みたいなものだった。外見からして叔母は失礼だが。
部屋に入ると、リナリーとアレンが倒れ込んでいた。叔母さんの言うとおり、かなりの大怪我だった。
「アレン...リナ...」
このままでは危険だということは、ルークも十分理解していた。だから...あの一族へ頼むしかない。ただの病院じゃ手に負えないはずだ。
「...ここの近くだったっけか。ブックマン」
「ブックマン...?」
「コイツらを医者んとこに連れてく」
「あ...あの!」
「...」
「私...イノセンスの適合者で...」
「...は?」
—今なんて?.........ああ、そうか。だから...。
「黒の教団の地図だ。それを見て来な」
「あ...ありがとうございます!」
「その前にリナ運ぶの手伝え」
—流石に二人は無理だ。
ブックマンに電話をかける。ガチャリという音と共に、懐かしい声が聞こえてきた。
「もしもし」
「闇の少年か。久しぶりじゃな」
「リナとアレンがノアに襲われた」
「!!」
「暇か?」
「...準備をしておく」
連絡は済んだ。ブックマンの居場所まで何時間かはかかる。それまで二人の体力がもつとは考えにくいが、とりあえず進まなければいけなかった。
「...アンタ名前は」
「ミランダです...」
「待っとくから荷物まとめて来い」
「は...はい!」
どうせなら一緒に行く方がいいか...。後でコムイに言われたら面倒だ。
「行くぞ」
それにしてもドデカイ時計だな。こんなんじゃ体力の減少は激しい。...どうするか。