二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 輪廻メリィゴォランド*. [ /小説集 ] ( No.12 )
- 日時: 2012/07/04 23:04
- 名前: さくら (ID: rLG6AwA2)
01.
「“キセキの世代”を倒して日本一になる!」
その堂々たる声に耳を傾ければ、屋上から体格の良い青年が声を張り上げていた。胸を張り、どんな躊躇も問わず、校庭から見ても判るくらいその男の瞳には情熱の色が篭っていた。「絶対やり遂げてやる」そんな彼に、もはや張り倒される程の勢いを感じた。
確かもう直ぐで朝礼が始まるはずだ。騒然とする中、私一人只々唖然としていた。
不良か!?入学早々騒ぎを起こすつもりなのか!?不良様様と来た。
一瞬そんな馬鹿な思考も巡ったが、我ながら馬鹿らしいと思った。
私達一年は混乱の為、周りの友達とザワつき騒然とするが、二年は去年もやったという毎年恒例のバスケ部行事という事ですっかり定着しており、一年ほど騒然とはしなかった。
また、そんな中には“またやってるのか、”“何をしてるんだ一体”と半ば呆れている生徒も居た。
だが私には凄く心に響いた訳で。
「何あれ、」
「ねえ、あれってバスケ部の恒例行事でしょー?ほら、去年もやってたあ、」
「でもキセキの世代ってあれでしょ?有名な帝光中の、」
「そんな超強豪倒せるのー?」
キイイイイイイン、鈍い機械音が響いた。再び屋上を見れば其処には色素の薄い、否、影も薄いんだけど、少年がスピーカーを手にとっていた。
恐らく彼の番にまで回ってきたのだろう。そして彼は息を吸った。
「お前等、何してる!」
瞬間、教師の怒号が校庭に響いた。
少年は直ぐに降ろされ、スピーカーも取り上げられてしまっているだろう。
「・・・て、テツヤ、」
「何だよー」「タイミング悪いよなー」「ってかバスケ部も良くあんな事出来るよな、」先程とは違った意味で騒然とし始めた校庭で、私はこの胸の高鳴りと動揺を抑えきれなくなっていた。
過去、とは言っても本の最近。中学時代の記憶が蘇った。駄目だ私、もうバスケはしないって決めたのに。彼を視た瞬間、忘れかけていた波がどっと押し寄せてきて、私はその波に———溺れたのだった。
230704
咄嗟に書いた連載。黒子のバスケ大好きだ。
主人公の詳細は次レス。