二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 輪廻メリィゴォランド*. [inzm/黒バス/他 ] ( No.17 )
- 日時: 2012/07/09 19:01
- 名前: さくら (ID: noCtoyMf)
- 参照: \ 黄瀬くんはゼッターイ /
02.
「ふぅ、本当、今日は厄日かな」
白昼、木漏れ日が眩しい。3階の廊下に、大量の資料を持ったポニーテールの少女の影が映えた。
ああ、本当に今日は厄日なのかもしれない。早朝から彼を見ちゃうし、日直で居残りな上に、仕事としてこの資料を図書室まで持っていくように言われた。
あのハゲ教師は頭イカれてやがるのだろうか。髪の毛も無ければ脳みそも無いのだろうかそうなんだろう!
大体、こんな大量の資料を私みたいなか弱き女子一人に頼むという時点から間違っている。朝礼の時に見た赤髪の男子位の体格だったら頑張れば往復でいけるかもしれないが、私は、女子だぞ、立派なレディーなんだよ!?
無理、絶対無理に決まっている。
とは言っても入学早々から仕事をすっぽかして先生に目を付けれたくない。寧ろ一生付けて欲しくない。
それだけを3秒で考え、決心をした私は清き笑顔でこう言ったのだった。「はい、任せて下さい」
これを聞いたハゲは、まさか此処で私がOKを出すとは思わなかったらしく、「お、おお。白李お前一人で持っていけるのか。それは頼もしいな、よし、じゃあお願いするぞ」と、見事にハゲ頭を光らせながら言ったのだ。
この時私は自分の行為を激しく後悔した。
そして、今に至る。
「でもこれで最後だし、図書室もすぐ其処だ。頑張ろう」
そして、吸い付けられる様にふと、校庭グラウンドを見た。
「・・・・・・・・・・・・ッ、」
“日本一にします”それは、彼———黒子テツヤの出した、答えであった。
急激な心変わり、なのだろうか。テツヤは魔法使いの様に、バスケを諦めていた私の心を融かす。バスケにピリオドを打っていた私をまたバスケで魅了する。
何時もテツヤはそうだった。人一倍影は薄い癖に、人一倍魅了する事は上手。私だって、何どもテツヤに魅了された。テツヤのバスケに、夢を持てた。
「テツヤ、あんたってのは、」
変わらないな。そう呟いた。
もう一度、バスケをやりたい。諦めていた心が割れ、芽が吹き出た。
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