二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

 きみと夏まつり/赤司 ( No.29 )
日時: 2012/07/22 17:45
名前: さくら (ID: noCtoyMf)
参照:  赤司様まじ赤司様



 深い夜空に瞬く間に輝く提灯の明かり。屋台の光が漏れている。
 夏祭りと言えば恋人と行くか、友人と行くか。屋台巡りや花火などの数々のイベントが待っている夏の醍醐味である。


「うっわー。凄い人混み」

「サクラ、離れるなよ」


 大人しめの色の浴衣に赤髪が映える。全く、眩しい位鮮やかな赤髪だ。
 右目が赤色、左目が橙色の綺麗な瞳の全部が私を映してくれていると思うと凄く嬉しくて。ふふっと笑みを零すと赤司は調子に乗って疚しい事を次々としでかすから下手に期待させると止まらない。勿論、その場が此処の様に公然だとしてもだ。


「離れないから。この年で迷子になんかならないよ」

「ふふっ、どうかな」

「ちょっと、どう言う意味?」


 ムスっと頬を膨らませて見せるとあろう事か目の前の赤司様は「可愛くないよ」と言い蔑むような目で此方を見て来た。はっ、其れが愛する彼女への態度かよ。世の中の彼氏持ち女が泣くぜ。
 というか、恋人なんだからもう少し「可愛い」の一つ位は行って欲しいものだ。

 自慢では無いが、付き合って一年半になる私達だが、赤司から可愛いという言葉を聞いた事は一度も無かった。「好きだよ」やら「愛してる」などの胡散臭い文句なら小馬鹿にしら様な態度で何回も聞いた。
 別にお世辞でも可愛いとは言えないと思わせる位ブスでもないと思うぞ私は。

 でもそんな所全て好きで愛してて、赤司の全てに溺れたいと思っている私は余程の変わり者なのだろう。
 「赤司様の言う事はゼッターイ」良く誰かがそう叫んで居た気がする。最もである。常にハサミを持ち歩いているらしく、この間黄瀬と青峰に切りかかっている所を目撃した。因みにその際黄瀬達に助けを求められたが、裏切って逃げた。

 だけどでも、やっぱり赤司は大好きで、たまに見せる優しい所とか、形はどうであれ私を精一杯の愛で愛してくれている所とか、バスケになるとキャプテン、司令塔として皆を引っ張るリーダー的な所とか。全て全部丸ごと大好きなのである。


「サクラ、今日浴衣可愛いな。似合ってる」

「え」


 び、びびったのだよ。行き成り何なんだこのコマシ男。確実に態ととしか思えない。畜生、狙ってやがったなあいつ。
 急に言われて太刀打ち出来る程人間なって無いんだよ私は。赤司みたいに頭の回転も早くなければ冷静に物事を考える能力なんてない。

 顔は紅潮し、突然の可愛い発言に口をパクパクさせる。まさか此処まで早く求めていた言葉が聞けるとは思わなかった。レア度急降下。


「あ、あかしっ、さま」

「ん、何だい?」

「そ、そそそんな急に、ゴ・・・ゴリラ!」

「ぶち犯すよ」

「すみませんでした」


 赤司の考えている事が良く分からない。ってか下ネタかよ。くすくす笑いを堪えている赤司が、そんな赤司までもが何故か愛おしくて。ああやっぱり笑うって良いなあ。どんな形であれ。

 そして急に立ち止まった赤司に吃驚して、反射的に立ち止まる。

 そのまま此方を向いて直ぐに私の手を握り歩き出した。赤司の大きな手に、私の手がすっぽりと包まれる。あったかい、
 手も温かいが、私の顔を温かかった。更に顔は紅潮し、平然と歩く赤司を涙目で睨む。が、赤司は前を向いている為気が付いてくれない。こん畜生!
 それは夢を見てるみたいで、


「やっぱり今日のサクラ可愛いから。変な奴らに絡まれない様に、ちゃんと俺のって証」

「ちょ、皆見てるから!」

「恋人が堂々と手を繋いで何が悪いのさ。それにサクラ方向音痴だから、逸れない様に。」


 「こうしたら、絶対逸れないだろう?」と片目だけ此方に向けて言って来た赤司にもう色々と爆発しそうだった。




「じゃあ今日は、最後までたっぷり楽しもうか」




@/はぐれない方法


240715
お題二つ目消化。赤司様まじ赤司様。
赤司かっこいいですよね。超好きです黄瀬君と同じくらい好きです。いや、黄瀬君の次かな?