二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: inzmGOKS 《思考停止》 ( No.7 )
- 日時: 2012/06/07 21:39
- 名前: 風風 (ID: /8RPd6Ii)
さてさて、物語の始まりは何処からやってくると思うかい?
例えば未来から、過去から、現在から、そして歪んだ新しい世界から...
この話は、歪んだ新しい世界が物語の始まりだ。
いったい、なにが始まるのか...
それは、貴方が見なくては始まりませんよ。
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イナズマキャラバン、いや天馬たちは過去から戻ってきて、現代へと戻ってきていた。
そして、剣城の過去もいつも通りの正常な流れとなり、完璧に元の世界に戻った。そう思われていた。
「今日からいつも通りのサッカーが出来るんだ!!」
爽やかなそよ風を感じさせるような茶色い髪をなびかせながら走るのは、一年生ながらも持ち前のドリブル力と絶対に屈しない精神をもつ雷門サッカー部のキャプテンである《松風天馬》だった。
天馬は、まだ朝の7時前というのに、かなりの重量のある学ランを着ながらも風のような走りをみせ、まだ誰も居ない河川敷を走っていた。
その手には、当たり前のようにサッカーボールが両手に収まっており、その姿を見ただけで、サッカーが好きという思いが伝わっていた。
そんな彼がサッカーボールを抱えながら向かっているのは、彼自身が登校している《雷門中》で、
そのボールの隣にかかっている鞄には雷門中のシンボルマークとも言える稲妻マークがプリントしてあり、
稲妻マークと同じ側の右下には、『松風天馬』とアンバランスな彼自身の直筆があった。
毎年春になら見事なほど桜が咲き誇る雷門中へと続く道には、数人の学ランや制服姿が確認できた。彼らも天馬とは違う部活だが、朝練の生徒たちであろう。
そんな彼らの間を通り抜けた天馬は、いつもよりも嬉しげな笑顔を浮かべ雷門中の正門を走り抜けた。
彼が雷門中の中に入り真っ先に向かったのは、中学サッカー少年なら誰でも一度は入りたいと思うであろう。雷門サッカー部専用施設の《サッカー棟》だった。
天馬がサッカー棟に入るとまだ人はいなかったが、これから人が来る
という期待感に天馬は心を踊らせ、軽い足取りで《1st room》と書かれた一軍用の更衣室へと向かい、朝練へ参加するためユニホーム、ジャージへと着替えた。
「うわぁ!やっぱり天馬は早いね!」
「おはよう!てんまっ!」
「天馬くんもよく毎日毎日早起きして1番にくるよな」
「そういう狩屋くんだって早いじゃないですか」
「本当にサッカー馬鹿だな」
「信助!葵!狩屋!輝!剣城!おはよう!!」
天馬がジャージに着替え終わり、適当に畳んだ学ランを『5 松風天馬』と書かれたロッカーに投げ入れていると、-ウイィィン-と自動ドアが開く少し情けない音が出た。
そこから入って来たのは、同じ部員で同じ学年である。DFの《西園信助》《狩屋マサキ》FWの《剣城京介》《影山輝》そして、マネージャーの《空野葵》、5人の姿があった。彼らも天馬と同じく学ラン、制服を着ており、葵は手前の机前で止まり後ろを向き、残りの4人は自分の背番号と名前が書かれたロッカーへと向かった。