二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜  コメ、プリーズ!! ( No.155 )
日時: 2012/08/19 16:21
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)

  第7粒「入城と『パートナー』」


 「あった! ありましたぁ!! クロス元帥からの手紙です!」

 その手には、へろっとまがり、ところどころ破けている手紙の封筒が握られていた。

 「読んで!」

 コムイが言う。ちなみにその手には、まだ、コーヒーカップが握られていた。

 「 ”コムイへ
    近々、アレンというガキをそっちに送るのでヨロシクな
    by クロス“
  です」

 「はい! そーゆことです。リーバー班長、神田くん止めて!」

 「たまには机、整理してくださいよ!!」

 というリーバーの怒声を気にも止めず、「コーヒーおかわりしよっと」などと、のんきなことを言っている。

 やれやれ。とあたしは思った。

 モニターの向こうにいる神田に、「神田、攻撃を止めろ!」とリーバーはストップをかけている。

 コムイはスリッパをピコピコと鳴らしながら歩き、コーヒーのおかわりをする。すると、

 「リナリー、ちょっと準備を手伝って」

 リナリーを呼んだ。

 「久々の入団者だ」

 コーヒーを注ぎ終わったコムイは

 「そして、サクラ」

 「へ?」

 「キミにはもっと大事な役割があるから♪」

 「??」

 「あの人(クロス)が出してきた子か・・・。鑑定しがいがありそうだ♪」

 コムイはそう言いながら、コーヒーを一口すすった。


   * * * * *


 アレンside


 「かっ、開門んん〜〜〜〜〜〜?」

 ———ンゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ。

 門番の人がそう言うと、門が上がり、開き始めた。

 『入場を許可します。アレン・ウォーカーくん』

 放送が響いた。どうやら誤解は解けたらしい。すると、

 ———ジャキ。

 「わっ」

 神田、といわれていた青年が、僕に刀を向ける。

 『待って、待って、神田くん』

 「コムイか・・・。どういうことだ」

 コムイと呼ばれた人が通信———話しを続ける。どうやら神田のそばで飛んでいるゴーレムで通信しているようだった。

 『ごめんねーーーーー。早トチリ! その子、クロス元帥の弟子だった。ほら、謝って。リーバー班長』

 『オレのせいみたいな言い方ーーー!!』

 リーバーという人の声で、いたたたた、と聞こえる。たぶん、その人のマイクで無理矢理話してるんだりうなぁ。

 そして話しは続く。

 『ティムキャンピーが付いているのが、何よりの証拠だよ。彼はボクらの仲間だ』

 しかし、神田はまだ僕のことを睨んでいる。すると、

 ———シュパッ。

 僕と神田の間をナニカが飛んできた。そのナニカが、タン、と門に突き刺さる。

 「はいはい、ストップー、神田。その子はアクマじゃないんだから」

 なめらかなソプラノトーンの声で話す人影。

 そこには、金色のショートヘアに、空のように澄んだ水色の瞳。神田と同じ、黒の団服を着ている少女がいた。

 少女の手には、白に、赤色のクロスが描かれた———弓、が握られていた。門に刺さったナニカを見ると、そこには、光の矢が刺さっている。その矢は、パリン、と音を立て、静かに儚く、砕け散っていった。

 少女は僕たちに近づき、神田に、「はい、止めなさい」と軽く喝を入れた後、僕に向き直り、ニッコリと笑顔を浮かべた。

 すると、神田のゴーレムからコムイという人の声が聞こえ、

 『この教団に入りたてで、右も左も分からない・・・。そんなアレンくんを導く、すてきなガイドさん=パートナーが、アレンくんにつきまぶっ』

 そこで言葉が止められた。なぜなら、少女がゴーレムを両手で——まるで虫を叩くように——手ではさんでいたからだ。

 「パートナーに、い・き・な・り、任命されました。サクラ・ルチェリアですッ。ヨロシク、ウォーカーくん!!」

 そこには、ニッコリと微笑んでいるはずの顔に、怒りマークが浮かんでいた。それに、僕はただ、「は、はい」としか言いようがなかった。


 あれ、もしかして僕って歓迎されていない?       

 〆 7月16日