二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜  コメ、プリーズ!! ( No.162 )
日時: 2012/08/19 16:22
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)


   第9粒「黒の教団・案内」


 そして、ウォーカーくんに攻撃しようとした神田を、あたしが止めた、ってわけ。

 え? 『なにで』? まぁ、それはいつか・・・・・・。

 「あの、なんか・・・・・・すみません」

 「へ?」

 振り返ってみると、ウォーカーくんがあたしに謝ってる。なんで? と思ったけど、自分が不機嫌な顔になっていることに気がついた。

 「あ、違う違う! ウォーカーくんにじゃなくて、いきなりパートナーにさせたアイツに怒ってたの! 気にしないで!!」

 あたしは笑顔を作ってそう言った。すると、

 「あ、あの。アレンでいいですよ」

 そう言った。あたしは少し悩んで、

 「・・・・・・うん。じゃあ、お言葉に甘えて、アレンて呼ぶね。よろしく、アレン」

 あたしとアレンは握手を交わす。さあ、そろそろコムイの所へ行こうかと、歩き出そうとする。すると、神田がスタスタと去っていくのに気がついたアレンが、

 「あ、カンダ」

 呼び止めた。神田は振り返り、ギラっとアレンを睨む。

 「・・・・・・って名前でしたよね・・・?」

 睨まれて少し引いたアレンだったが、「よろしく」と手を出す。

 だが、神田は

 「呪われてる奴と握手なんか、するかよ」

 そう言って、靴音をカツカツと鳴らしながら去っていった。

 「(差別・・・)」

 と、アレンは神田に怒りの炎を燃やしていることだろう。まあ、あたしもあんなカンジだったし。

 「ごめんね。任務から戻ったばかりで、気が立ってるの」

 ナイスフォロー、リナリー。でも、神田はいつもあんなカンジだと思うよ・・・。


   * * * * *


 「ここは食堂」

 そこは、長イスとテーブルがずらりと並んでおり、上からシャンデリアがつり下がっている。

 「この階(フロア)は修練場。3階層に渡ってあるの」

 ここはエクソシストが日々の特訓のために使う場所だ。

 「談話室」

 ソファがいくつも並べてある。ここでチェスなんかして遊ぶ人もいる。

 いくつもの部屋を見て、アレンは「わーー」とわくわくしているようだった。

 「他にも、療養所や書室、各自の部屋もあるから、後で案内するね」

 あたしがそう説明すると、アレンは驚いた様子で、

 「部屋が与えられるんですか!?」

 と言った。

 「エクソシストは皆、ここから任務へ向かうの。だから本部のことを 『ホーム』 って呼ぶ人もいるわ」

 リナリーの説明に、あたしは付け加える。

 「まあ・・・、出て行ったっきり、わざと帰ってこない人もいるけど」

 アレンは「(師匠です)」と思った(に違いない)。

 「(ホーム か・・・・・・・・・・・・)」

 アレンはうれしそうだった。そして、

 「あ! ここの階(フロア)は、どんな部屋があるんですか?」

 アレンが聞いてくる。そこは怪しいカンジのするところだった。

 「ここは」「いいの」

 あたしとリナリーは言う。アレンは「はい?」と聞き返してくるが、

 「「いいの」」

 とあたしたちは言って、リナリーは階段を下りていく。アレンは「?」と階(フロア)を不思議そうに見ていた。


 ちなみにここは、コムイのプライベートな実験場である。本人がいれば、

 「見ていけばいいのに〜〜」

 と言ったに違いない。


 〆 7月18日