二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: D・Gray-man 〜涙のメロディ〜 こめんと募集中! ( No.264 )
日時: 2012/09/10 20:09
名前: 月那 ◆7/bnMvF7u2 (ID: IsQerC0t)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode


   第17粒「任務開始」


 「ぐーーーーー」

 床に散らばった書類。無造作に積まれた本の山。そんな部屋でコムイは盛大ないびきをかいて寝ていた。・・・机に突っ伏して。

 「室長! コムイ室長!」

 「ぐーーーーー」

 リーバーがコムイを揺すって起こそうとしてみるが、起きない。

 ———ボコッ、ボコッ!

 あたしとリーバーで殴ってみたが、起きる気配はなし。

 ・・・なので最終手段。リーバーがコムイの耳元にボソッと耳打ち。

 「リナリーちゃんが結婚するってさー」

 「リナリィィーーーーーーーーーーー!!」

 今後何かの役に立たないかなと思うほどの素早い反応、で跳ね起きる。こんなんじゃなければ褒めてあげたいくらいだ。

 「お兄ちゃんに黙って結婚なんてヒドイよぉーーー!!!」と泣き喚くコムイ。

 「・・・・・・・・・・・・」とヒいているアレンと神田。

 「悪いな。このネタでないと起きねェんだ、この人」とコムイを指差すリーバー。

 その後ろで恥ずかしがっているリナリー。

 ”兄“っていうのはこういうのしかいないのかな、まったく。そう思いながら、あたしは静かにため息をついた。


   * * * * *


 「いやーごめんね。徹夜明けだったもんでね。ははは」

 「オレもっスけど!」

 「さて、時間が無いので粗筋を聞いたらすぐ出発して。詳しい内容は今渡す資料を、行きながら読むよう
に」

 リナリーが資料を渡す。

 そして二人は今気づいたのか、「「!」」という表情。そしてコムイの一言。

 「ふたりコンビで言ってもらうよ」
 ———ゲッ。 という顔のふたり。

 「あ、サクラはアレンくんのパートナーだから、もちろんついて行ってもらうけどね」
 ———パアアァァァッッ。 とあたしを神様を見るかのように、顔を輝かせるアレン。———チッ。 と、その後ろで舌打ちする神田。

 「え、何ナニ? もう仲悪くなったのキミら?」

 「そりゃーもう、出会いがあんなんだったからね。誰かさんのせいで」

 そうあたしが言うとコムイは「あははははは」と苦笑い。しかし、すぐに切り替わる。

 「でもワガママは聞かないよ」

 コムイが地図を広げた。そして説明に入る。

 「南イタリアで発見されたイノセンスが、アクマに奪われるかもしれない。早急に敵を破壊し、イノセンスを保護してくれ」

 イタリアか・・・。じゃあ、ついでにあの人の所へ行ってこようかな。
 そう、思っていると、

 ———リィィーーン。リィィーーン。

 突然、鈴の音がした。そしてあたしは理解する。ああ、あたしは———”梦“を見るんだな、と。


   * * * * *


 アレンseid


 「ど、どうしたんですか、サクラ!」

 任務の説明を聞いていると、いきなりサクラが立ち上がった。サクラは虚ろな目で上の方を見ると、体が紅色に包まれる。よく見ると、右目の色がいつもの空色ではなく、鮮やかな翡翠色に変わっていた。

 「”梦“を見ているのよ」

 「・・・ユメ、?」

 リナリーがそう言った。周りを見ると僕以外のみんなは落ち着いている。だから異常なことではないらしい。

 『———少女。』

 「えっ?」

 するとサクラが何かを呟き始めた。

 『———少女。歌。亡霊。孤独。老人。心臓。イノセンス。・・・人形。・・・・・・』

 ———ドサリ。と瞳を閉じ、サクラが崩れ落ちる。それをリナリーが支える。どうやら気絶したようだった。

 「人形か・・・」

 そうコムイさんが呟く。呆気にとられていたが、ようやく口を動かし尋ねる。

 「あの、”ユメを見る“って!?」

 「ああ、そうだった。まだ説明していなかったね———」

 そして僕はサクラの”梦“について説明してもらった。


 サクラが目を覚まし、僕たちは教団内の地下水路から南イタリアの古代都市・マテールへと出発した。


   * * * * *


 同時刻 : 南イタリア・マテールの地。

 現れたアクマのうち1体、レベル2へ進化。

 事態は深刻である。      


  〆 9月10日