PR
二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……番外第7話 金平糖 ( No.14 )
- 日時: 2012/06/13 00:39
- 名前: 杞憂 (ID: lwQfLpDF)
綺麗な着物。
最新の面白い書物。
ふかふかであったかい布団
そして冷たい鎖。
あたしの世界は約20歩程。
首に繋がれた鎖が定めた行動範囲。
だけどその他のことは
どちらかと言うと充実していて。
ガタッと木の襖が開いた。
あたしの部屋に足を運ぶのは
綱道さんとあと一人。
「千鶴?…どうしたの?」
彼女の小さな手には
小さな包み紙。
「美伽ちゃん、一緒に金平糖食べよ!」
そう言って
あたしの隣にちょこんと座った千鶴。
あたしの肩ぐらいの高さにある彼女の顔は
へらっと笑った。
血は繋がってはいないけど
急に込み上げてきた
いとおしさに耐えれなくて。
思わずぎゅっと抱き締めた。
「!」
なんの前触れもなくされたせいか、
彼女は体を固くしたけれど
すぐに身を任せてくれた。
このあたしにとっての小さなお日様は
自分のことを、父親のことを、
あたしのことをまだ知らない。
知らなくていい。
千鶴はこのまま何も知らないまま
幸せに朽ちて行けばいいんだ。
そのためにあたしは今ここにいる。
あたしが守ってあげる
だから安心して。
口に含んだ金平糖は
甘くて
そして儚かった。
あとがき−ーーー
このお話は、遠い昔、血染めの化け物と
千鶴の間に起きた出来事です。
次から、
第一章がやっと始まると言った所です(;´д`)
ホントにやっとです。
ちなみにこのお話は
原作に沿ったり沿わなかったりします。
あれっ?と思うこともあるとは思いますが
そこはご了承下さいませm(__)m
page :[2]
PR