二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……第12話 イラつく心 ( No.34 )
- 日時: 2012/06/19 11:20
- 名前: 杞憂 (ID: XHLJtWbQ)
自由になった手をあたし達のいる部屋を訪れた
中年隊士によって再び縛られてしまった。
特にあたしにはきつく。
血染めの化け物を知ってか
それともあたしが縄をほどいたと言ったからか
とにかくあたしは千鶴以上に警戒されているようだ。
別に、あたしは
馴れていると言えば馴れているから
別にいいのだか。
綺麗に雪化粧をした中庭をぼんやりと見ながら
長い廊下を中年隊士に続いて歩く。
あたしの横を歩く千鶴は
ガチガチに緊張していて
その顔からは、
幾分かの恐怖、混乱がうかがえる。
まぁ、目が覚めたら見知らぬ場所で
側にいたのは、自分が昨夜恐怖を感じた人物。
しかも、ここが新撰組で、
これから尋問となれば
温室育ちの千鶴には、重すぎるだろう。
「千鶴。」
彼女の肩が少し揺れる。
「な…何ですか?」
「あたしが全部説明するから
何があっても黙っててね。」
きょとんとするように固まった千鶴。
「わかった?」
ほんのちょっとだけ、殺気を出して言う。
それを感じたのだろう彼女は
首を縦に大きく二回振った。
こういう状況になれていない千鶴は
何を口走るか分かったもんじゃない。
それに確かめたい事もある。
もし、この新撰組が綱道と繋がりがあるのなら
…上手くここを利用したら、
手っ取り早くあいつの首を摘めるかもしれない。
そうこう考えているうちに
目の前の障子が開かれた。
途端外に漏れる
重く、張りつめた空気。
中にいるのは
昨夜の二人を入れ
総勢八人。
「さぁ座って。」
そう言った中年隊士。
「失礼します。」
あたしはそう言って座ったが、
余裕がないのであろう千鶴は
無言で、言われるがまま座った。
あたし達が座ったのを見届けると
中年隊士は自分の定位置であろう
座布団の上に腰を降ろした。
「昨日はよく眠れた……みたいだね
顔に畳の痕がついてる」
張りつめた空気などお構い無しに
緩く口角をあげて言う
昨日のうざい男。
彼の思惑通りか、焦る千鶴。
本当にこの男はイライラする…
「ついてないよ。」
あたしは眉1つ動かさず千鶴に言う。
えっ、と彼女の動きが止まった。
途端赤く色ずく彼女の頬。
そう言う素直なところが千鶴のいい所ではあるが
心配な一面でもある。
千鶴をこけにしたこのおとこに
あたしは皮肉いっぱいに言う。
「あぁ、でもよく寝れはしましたよ。
あなたが下手に縛ってくれたおかげで
簡単に縄が、解けましたから。」
精一杯、純粋で無垢な少女の微笑みを
顔に張り付けて言ったその言葉に、
この部屋の空気は
一瞬にして凍った。
あとがきーーーー
久しぶりの更新です(*^^*)
実は個人のサイトを立ち上げたのです!!!!
それにもう手一杯で…
きっと今ぐらいの更新スピードに
なると思いますが
これからもヨロシクです(^o^)/