二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 薄桜鬼 最初で……第15話 生き方 ( No.42 )
- 日時: 2012/06/24 19:54
- 名前: 杞憂 (ID: iP.8TRIr)
「今度はお前の番だ。来い。」
そういった土方副長。
千鶴の華奢な身体がこわばる。
そんな千鶴を安心させたくて、
あたしは千鶴の頭に手を置き、触れるか触れないかぐらいの感じで
やさしく撫でた。
彼女の目にあたしが写った。
その目には恐怖が浮かんでいた。
上目遣いにあたしを見ている目はまるで
『大丈夫?』
と口の代わりに言っているようで。
そんな技術を持っていないあたしは
「大丈夫だよ。」
と努めて優しく言った。
すると彼女の恐怖に揺らいでいた目は
しっかりしたものとなり
あたしを少しの間見据えたあと
「はい。」
と覚悟した様子で答えて立ち上がり
そのまま土方副長と一緒に部屋を出ていった。
障子がしまったと同時に
部屋に満ちる静けさ。
普段なら不快に感じることなどあるはずがない
静寂が、今は不快で仕方がなかった。
なぜならあの男…
沖田総司がいるからである。
しかも二人っきりで。
「まさか君が綱道さんと
知り合いだったなんてね。」
静寂を破ったのはあの男。
そっぽを向いて、まるで独り言のように
呟いた。
「はい。
綱道さんには…とてもお世話になりました。」
色んな意味で………ね。
あたしはニコッと微笑みながら言った。
そんなあたしに目をやった沖田総司は
「……そんな不細工な笑顔、やめなよ。」
と面倒臭いとでも言うように言った。
…面倒臭いのはこっちの方だ。
いちいち突っかかってきて…
ほっといてくれればいいのに。
「申し訳ありません。
ですが、いくら不細工でも
生まれ持った顔がこれなのでどうすることも
できません。」
あたしは今さっき『不細工』と言われた笑顔を
顔に薄く浮かべながらそう言った。
「…そういう意味じゃないんだけどな。」
そう言いながら沖田総司は苦笑を浮かべた。
「そうですか。」
あたしは短く答えた。
意味深なことを言うが実際
そんな意味なんてどうでもいい。
結果とそれに似合う形さえあれば充分だ。
あたしは
綱道を殺して、
羅刹をこの世から一人残らず消すという
結果が欲しい。
それの近道になるであろう新撰組の枠に
形にはまって行動すればいい。
もし新撰組が使えなかったらまた
違う枠を探して形どっていけばいい。
そうして今まで生きてきた。
あたしの短くて長かった人生で見つけた
一番楽で手っ取り早い生き方。
だけど
……千鶴はその生き方を見つける前に会った
大事な人。
千鶴の存在は大き過ぎて
あたしに悪影響ばかり与えてくる。
(いっそ、殺してくれないだろうか。)
何かヘマをやらかしてくれれば好都合。
だが、名前を上げた時点でその可能性は薄れる
千鶴は憎くて大嫌いな綱道の形ばかりの
娘だから。
あとがきーーーー
今回長かったですね(-_-;)
読んでくださってありがとうございますm(__)m
まぁ今のところ文字数は
900〜1000なのですが
どうなるか分かりません(・・;)
一応1500越えはしないようにはしてますが
特に固定はしてないので
少ない時も、多い時もあると思います(^-^)/