二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: イナクロ〜なくしたくない物〜帰ってきました ( No.11 )
- 日時: 2012/07/13 19:21
- 名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel3/index.cgi?mode
3話 「思いだせなくて。」
「ゴッドエデン、か……。」
キャラバンの中です。俺と友撫、いちばんうしろの席で、ポーッとしてます。
っつか、友撫はほんとにポーッとしてるけど、俺は考えごとしてる! まじめに! ……まあ、まじめかはほうっておいて。
考えごとはしてる。だって、ゴッドエデンってことは、シュウがいるわけだろ? もし、あっちにいってなかったら、だけどさ。
(ゴッドエデンで特訓……。)
どうしても、俺がシードの養成を受けてた短い時間を思いだすなあ。あのときは、なんか、まじめに受けてた気もしたり、しなかったり〜……。
「ついたぞぉ!」
ワンダバのうるさい一言。つーか、ワンダバって一言がいちいちうるさいし ←オイオイ、失礼な
「じゃ、いこっか。」
フェイ、にっこり。うん、こいつかわいい系キャラでモテるタイプだな、きっと。
降りてみると、風がそよそよふいて、ほおをなでていく。森がその風にふかれて、ザワザワゆれる。
「ぜんぜんかわんねえなぁ……。」
俺がいうと、みんなギョッとした。いろいろ質問してきていたみたいだけど、なんて答えたのか、ぜんぜんおぼえてない。
だって、ほかに気になることがあったんだもん。
☆
ぜんぜんかわってなかったのは、ゴッドエデンスタジアムもだった。雷門とプロジェクト・ゼロが戦ったときと、少しもかわっていない。
こわれたオリ。少しけずれた感じのグラウンド。いまでも、あの熱気が思いだせるくらいだった。
「ちょっと、お兄! もうはじまるよ!」
「えっ? あ、ああ。わかった。悪い。」
俺は、あわててみんなの元にかけよった。フェイにいわれたことを考えながら、やっているみたいだけど……。
天馬と剣城、神童先輩はかなりイイセンいってる気がするんだけど、問題は信介と錦先輩だな。信介は、化身に飛びこむわ、錦先輩は「化身アームドのしかた、知っとるか?」なんてきくし。
ふつうやれんだろう、そんなんでは。
「もっと、具体的にたのむぜよ。」
「そういわれても……。要は、感覚の問題だからね。」
「まあ、そのとおりだよなあ……。」
「えっ!?」
みんながいっせいにふりかえった。あ、めんどうくさくなりそうな予感。
「け、化身アームド、知ってるの!?」(風花)「ぇ……。」
「ていうか、できるぜよか!?」(風花)「ぁ……。」
「やってみてよ、風花!」(風花)「ぁぅ……。」
やっぱり、めんどくさくなったし……。
つ、つーか!
「お、俺は、なんとなくやったらできただけだし……俺なんかにきかないほうがいいって、ぜったい!」
「そう……かな。ごめん。」
天馬は、うつむきがちにこっちを見ながら、そういった。
う、ううっ。天馬、その角度、どう考えても反則だろ……。
「ぼくも手伝うよ。さ、はじめよう!」
フェイさん、みごとに流れをかえてくれました。このとき「だけ」、いっておこう。あんがとう(心の中だけ)。
「うおぉおおぉっ!」
と、きゅうにワンダバさん、さけびだしましたよ? どうしたww
そんなこんなで練習していた。天馬とフェイがならんで走り、なにか話している。
あんなふうに、仲よかったよなぁ、あんときも……。
(ずっと、仲が良かったはずなのに……。)
ふうとひと息ついて、ベンチにすわりこんだ。目をつぶったら、すぐに睡魔が襲ってきてしまった。たえれなくて、あるひとつの思い出が、頭の中によみがえった。
————パチパチパチ……
『ねえ、見てよ、風花。きれいだね。』
『ほんとうだね、———。あっ、ほら、見て。この花火。玉をつくっておちてくよ!』
『わあ! すごい! 風花、線香花火やろう。』
『いいわよ。はあ……いい香り。』
笑いあいながら。
だれかわからず。
でも、とっても楽しくて。
すごく笑っていた。女の子らしく。
なのに、なのに、なのに……。
だれなのか、まったく思いだせなくて。
もっとハッキリ思いだそうと思っても、だんだんそこから離れていって。
けっきょく、瞳がひらいてしまった。———
「ん……。」
目をひらくと、みんながフィールドにたおれていた。反対側のところには、エルドラドの五人……。
「おまえら!」
「おっ、やっと目えさめたのか!」
水鳥先輩、めちゃくちゃ怒ってるよ……。
まあ、そんなのどうでもいい!
「みんな……!」
俺がかけだそうとした、そのとき。
化身があらわれ、ゴールに剣がつきささり……。
目のまえが、まっ白になった——……。