二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜オリキャラ募集中&800越え ( No.111 )
日時: 2012/08/30 13:52
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: z52uP7fi)
参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/kakiko1346139135706.png/img/

十話   「頭痛、なんとかしてほしいもんだよ」



俺は、あたまをかかえて、大きくため息をついた。(キャラバンだよーん)

「どうしたのさ、お兄。」
「いや、なんか睡眠不足っつーか、ねむいっつーか……。」

俺がいったとき、友撫はさっと顔をくもらせた。

「なんだよ。きゅうに暗い顔になりやがって。」
「だってさ……やっぱり、いわなくていいの? その、えっと……病気のこと。」
「それは…………。」

いえないよ、とてもじゃないけど。なんか……よけいな心配かけるかも……。
いやいやいや……心配なんかするわけないよな……。うん、しない、しない。しないということをねがう。

「ついたぞ。」
「みんな、元にもどっているかなあ……。」
「きっとだいじょうぶだよ。」

みんなのかたまりの最後尾にいる俺たちは、コソコソ話で友撫に話しかける。

『マインドコントロールが解けたっつっても俺たちのことは、たぶんおぼえてないんだぜ?』
『だよね、きっと……。ああ、なんで完全ムシだったんだろう。」
『あっ、やべ。もう入る。』

俺たちが話すのをやめた、そのピッタリにとびらが開いた。

「やっときたか。」
「後輩が先輩よりおそくてどうする。」
「よかった。みんな元にもどったんですね!」

おお、よかったですね。でも、なんか霧野先輩と狩屋が、すっげえ顔で俺を見てるから、やめてくれんかね?

「なあ、天馬。」
「なんですか、霧野先輩。」
「そいつ、だれだ?」
「へ?」

みんなの視線が、一気に友撫と俺に集中ッ。うわー、いやだわ、この光景。

「えっと、それは、そのー……。」
「はいてしまえばいいのだよ、お兄。友撫は、月流友撫っていいます☆ でもって、こっちが……あれ? どっちで紹介したほうがいいの?」
「いやいや、これから時空最強イレブンさがしだろ? じゃあ、たぶん男子のほうの名まえ……いや、でもふだんはた・ぶ・ん(強調)女子だし……友撫のご勝手に。」
「はいはい。では長々お待たせしました。このひとは風丸風花っていいます。男子のときの名まえは、月流ユエっていうんで、よろしくおねがいします。」
「……風丸?」

ああ、いうと思いましたよ。

「風丸一郎太のいとこの妹です。」
「ああ、そういう。」

それより大切な話があるのでは?

「あーっ、キャプテーンッ。あっ、サッカー部のみなさん、チーッス☆」
「ど、どうも。それより、きみ、だれ?」
「えっ。もーう、キャプテンったら。ジョウダンやめてくださいよ。ウチはエースストライカーなんですよ。」
「エ、エースストライカー?」
「お兄、お兄。」

友撫が耳打ちをしようと、手招きをした。

「たぶん、なにかのせいで影響がでたんだと思う。歴史がかわった?」
「いや、ちがうだろ。たぶん……。ってか、あいつ『10』!?」
「ていうか、きみ……名まえは?」
「菜花黄名子です☆」
「は、はあ……。」

なんか、みょうにテンション高いなあ。

     ☆

「ミキシマックス・信長ッ。」

へー。さすが神童先輩。もうけっこう使いこなせてるんだな。
刹那ブーストでいっきにシュート。いやあ、さすが先輩。俺はかないっこナッシングだ。

「友撫、いっておいでよ。」
「うん♪」
「…………はあ……ッ。」

これ以上悪化するのは……さすがに勘弁だぞ?
ていうか、なんだろう……霧野先輩の表情と、狩屋の目は。たぶん、霧野先輩……。

「あぐっ……。」

はー……。この頭痛、なんとかしてほしいもんだよ。

「にしても、じいさんたち、みんな元気だなー。」
「風花ー! おいでよっ!」
「はいはい。いまいくよ。」

俺が歩みよると、じいさんが空野のポケットから現れた。

     ☆(なんか場面飛ばし多くてすんません)

「ええっ、そんなことがあったんですか。」

倉間先輩たちからの経験談をきき、おどろきの天馬。
まあ、エルドラドならやりそうなこったなあ。俺もきのう、襲われたけど。
にしても、霧野先輩……。

「霧野さん、ジェラシーかなあ。」
「ブッ。ゆ、友撫、おまえはいま、ひとの心を読んだのか?」
「へ? べつに。なんとなく思ったことをぶっちゃけただけだけど。まさか、お兄も同じことを?」
「んー、まあな。霧野先輩でもあるのかなーってことは。でも、まさかジェラシットとは。」
「お兄、それは特撮の悪役キャラクターの名まえだよ。パクリはだめ。」

バ、バレていたか……;; でも、まあ、いいじゃないか。楽しいのだから。
……狩屋も気づいてたんだな。なんか話してる。いや、きこえないけど、なんか霧野先輩、すっげえズボシって顔してるし。

「では、メンバーを発表するぞ。」

おお、中世ヨーロッパにつれていく、選抜メンバー十一人の発表ですか、じいさん。

「天馬、神童、フェイ、剣城、信介、錦、速水、浜野、影山、そして……。」
「……。」

すこしの沈黙の後、じいさんはいった。

「黄名子だ。」
「なっ……!」

霧野先輩……さすがに信じられないっていう顔。まあ、しかたないだろうな。

「あと、風花と友撫。」
「ぎえっ!? お、おどろかせるなよ、じいさん。」
「んなもん、どうでもいいわい。それより、おまえさんたちは着いてこい。」
「……は?」
「雑用人、メシ係じゃ。それに、おまえたちのことは、ワシら以外、だれもおぼえとらんのじゃろう?」
「まあ、全員に等しいほど、だれもおぼえねえけど。……あ、だから、歴史にも影響がでないからとかいうなよ、じいさん……!」
「そのとおりじゃとも。」
「俺らだって、好きでわすれられてるわけじゃねえぞ!?」

ったく、じいさんは一言よけいなんだよ。

「待ってください!」
「!?」
「おれも、つれていってください。」

……霧野先輩か。じいさん、きいてやっても、いいんじゃねえの?

(俺らをつれてくくらいならな。)
「おれ、朝からお腹痛かったんですよねえ。」
(か、狩屋?)
「霧野先輩がかわってくれるっていうなら、助かるんですけど。」
「そうか。そういうことならしかたあるまい。霧野と交代じゃ。」
「あ、ありがとう……ございます。」

霧野先輩はお礼をいったあと、狩屋を見た。狩屋はツーンッてしてるけど、でも……。

(さっすが狩屋。いいとこあんじゃん。)

とか、見なおしちゃった俺だったし。
俺も情報収集中の先輩、ありがたく思わなきゃな。
ケータイをひらいてみると、メールがきてた。

『差出人:桐崎先輩
       月光先輩
       黒闇先輩』

じょ、情報収集先輩、いっき集結って感じだな……。