二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜3000越え ( No.224 )
日時: 2013/01/14 09:46
名前: 柳 ゆいら ◆JTf3oV3WRc (ID: ysgYTWxo)

十話   「いろいろ明らかに……」



とりあえず、キャラバンに乗りこんだわけですが……。
なんか、主人公の見習い騎士さん、完全に天馬とかフェイのあたりが、その役にあたりそうなんですけどさー。もうすでに主人公だから、もういいじゃん? 神童先輩とか、そのあたりにゆずってあげなよー。また泣いちゃうぜ? 神童先輩。

「お兄、目が死んでるよ、目が。」
「だって、アーサー王の本の世界とか……。どうせ俺、下僕役だもん。」
「あー……だいたい、毎回そういう役だよね。」
「うん。いちばんマシだったのは、魔王役だった。」
「文化祭のね。」
「それそれ。」

楽しかったから、まあよかったかなって感じ。

「それじゃあ、いくぞ!」

ワンダバさんの気合いの入ったかけ声。不安げな顔をなさっている14人。ワクワクの約一名(友撫)、死んだ顔の俺。

「タイムジャァアアアアンプッ!」

うるせ。
あ、こういうのはいっちゃダメなんだよな。いっけね★
いや〜、この七色のトンネルっぽいところ通ってるときだけ、楽しいわ。
……って、あり?

「なんか、黒くね?」
「……うん、黒い……。」
「やっぱり定員オーバーだったんじゃねーの!?」

それ、思う! 狩屋の意見、大いに賛成!
っていってるヒマねえ!

「うわあああぁああぁぁぁ。」

     ☆

「んー……?」

目がさめると、そこはどうやら、石でできた砦らしかった。ひんやりとした空気と、なんか……水っぽい。
っていうか、俺、なんかに乗ってるような……。

「重いよ! ジャマだ、どけ!」
「うわっ、相崎! わ、わるい;;」

俺は、相崎からサッととびのいた。いやー、これがホントの「しりにしく」だね(←ちがう)。

「なにやってんだよ。」
「なにやってって……おまえ、知らないのか? ここがどこか。」
「まったく。」
「はー……。ここ、おまえらが見てた、絵本の世界だよ。」
「え……マジすか。」
「ああ。さすがに本の世界は、タイムブレスレットじゃむりかなーと思ったから、キャラバンにくっついていったらこれだよ。信じられねえ。」
「じゃあ、俺たちって、なにか役割でもあるわけ?」
「あるっちゃ、あるけどよ……。」

ハッキリいって相崎、すっげー浮かない顔。なんだろ? そんなにイヤな役なのかな。まさか、マスタードラゴンをあやつるあの悪者か!?

「影の登場人物だよ。」
「……な、なんじゃと?」
「だから、物語の表側には登場しない、裏の人物たちってこと。」
「ふ、ふーん……。」
「で、あとは、これ。」

バサッ

「……なに、これ。」

いきなり持たされたのは、茶色いすこしよごれた感じの服。フードがついており、そのフードは、口元あたりまですっぽりとかくせそうなくらい大きい。相崎もどこからともなく俺にわたしたのと同じものをとりだし、フードもあわせて着た。
予想どおり、フードは相崎の口元までをかくし、それ以上は認識できない。……ていうか、口元以外、全部見えないよ。

「おまえも着ろよ。これ、着てないと目立つぜ? おれら、現代の服のまんまだから。」
「あっ、そっか。」

いわれて気づいた。雷門中サッカー部のジャージのまんまだったってことに。俺はあわててそれを装着し、フードをかぶる。かろうじて視界がきく。それくらいのひろさしかなかった。
こっちのほうが、なんか怪しげ……。

「これ、なんかあやしくね?」
「まあな。たぶん、おれらは侵入者とか、それくらいのレベルだろ。ま、見つかんないようにしなきゃな。」
「へい、へい……。こっちの世界でも、俺らはこういうんか。」
「ちなみに、円卓の騎士試験は、まだはじまってない。それと、もうひとつ、ふつうに入手した情報だと、円卓の騎士、雷門のひとたちっぽかったよ。」
「なにっ!?」
「しーッ。」

相崎が、あわてて人さし指をくちびるのまえで立てて、俺に注意をうながす。

「声が大きい! それより、姫君もこれまた……。」
「だれ?」
「空野葵さん。」
「……わお、すっごーい。」
「あ、そうそう。あと、もうひとつ情報ね。」

相崎は、まわりを確認したあと、そっと話しかける。

「菜花黄名子について。」
「((ピクッ 菜花?」

あいつは気になってたんだ。やたらとフェイのこと、知ってるみたいだし。もしかしたら、フェイ第一なんじゃないのかと思うくらい、気づかってるし。
まさかとは思うけど……おねえちゃんとか? いや、妹さん?

「菜花黄名子はフェイ・ルーンの…………だ。」
「……そ、か……。フェイ、それ知ったら、どう思うんだろ。」
「ラストの一個は、そのフェイ・ルーンについてなんだけど……これ、月流、受け入れられるかな。」
「フェイ?」
「ああ。」

相崎、みょうにしんみょうなお顔。どうしたんだろ?

「じつは、フェイ・ルーンは………………………だ。」
「まじでっか。」
「ああ。」

すげー・・・・・・・。
この情報、どこから集めてるのか、はじめて興味をもちましたよww
え? フェイがなにか? それは、いずれわかるよ、きっとね。