二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜参照200越えキタ——!! ( No.23 )
日時: 2012/08/03 06:19
名前: ゆいら (ID: z52uP7fi)

6話   「あえて、軽くいいたかった」



「に、してもさぁ……。」
「サッカーしまくり……だよねえ。」
「まあ、な……。しかたないだろ。サッカーとりもどすためには、サッカーでいどまなきゃいけないみたいだしさー……。」

俺と友撫は、ベチンでダベっていた。
ただいま、どっちが一点先に入れるかの試合中。ずいぶん、白熱してるなー。

「おい。」
「ん、なんですか、水鳥先輩。」
「おまえ、なんでサッカーしねえんだよ。できるんじゃないのかよ?」
「お兄はできるけど、友撫はできませんー……。」
(わっ、しぼんじゃったよ、このちっちゃい子……。ていうか、この子可愛っ////)
「水鳥先輩、なに考えてるんですか。」
「な、ななな、なにもっ。」
「ふーん……。」
「だ、だから、なんでおまえ、サッカーしないんだよ!? 強いんじゃないのか?」
「だって、出ろっていわれてませんもーん。」

うわ、こいつイヤらしい、っていう顔に、水鳥先輩がなった。ハッ、ザマァww
っていうか、あれ? 友撫とあと少しダベってたら、試合おわってるんですが……。ああ、いちばんイイトコ、見せられなくてすいません;;
つか、天馬たちうれしそうだなー。友撫もマネージャーたちとおおはしゃぎだし。俺だけか、フーッて顔してるの←

「やったね、お兄☆ って、あーっ! プロトコルの野郎ども、帰っちまった!」
「ほんとだ! チッ、一発ボコッてやr……いやいやいや、ドしかってやろうと思ってたのに。」
(いま、なんかいいかけたよね;;)

みんながこわいなあって顔してるのは、とりあえずムシだ☆ アハハのは☆
平和な雑談タイム中、まあなんとも空気を読まず、葵のケータイが鳴った。

「葵、なんて?」
「みんな、たいへんよ! 雷門中のサッカー棟が、とりこわされるって!」
「ええっ!?」
(おいおーい、なんかたいへんな展開になってきたんですが……。つーか、なにこの展開。)
「いそいでもどらなきゃ! あっ、そうだ!」

天馬はシュウにむかってほほえんだ。

「シュウも一緒にきてよ!」

そういった天馬の顔は、とってもニコニコにこやか。
でも、天馬。悪いけど、きっとおまえの予想のこたえとはちがうと思うぞ?

「……めん、ぼくはいけない。」
「なっ……! ど、どうして……。」
「だって……。」

シュウはサッとふりかえって、笑顔でいった。

「だって、ぼくはこの島を守らなきゃ。それは、とっても大切なことなんだ。」

     ☆

シュウのあのことば。天馬はずいぶんおちこみながら、キャラバンに乗りこんでいく。
俺は、シュウとすこし、話していた。

「やっぱり、まだ残るつもりなの?」
「……まあな。だって、天馬たち、すこしほっとけない感じだし。とくにワンダバとか、友撫とか。」
「ワンダバは、たいへんそうだもんね;;」

シュウ、そこって、同意しちゃっていいのか? あ、でも、ワンダバきいてないし、いっか☆

「シュウも、ゴッドエデン護り、たのむぜ。俺は、まだ天馬たちと一緒にいくから。」
「そっか……。また、ふたりで会うっていうのは……。」

シュウがすこしさびしそうにいった。ほんとうのこというのは、すこし苦しいけど……うそはつけないから。

「また先になるかもな。」

そういわれたシュウの顔は、沈んだものだった。
そんな、まるで長い間会えなくなってしまうカップルみたいなやりとり(?)をしていた俺たちを、天馬がうしろからよんだ。

「おーい、風花! もう出発しちゃうよ! いそいで、いそいで!」
「あっ、悪ぃ、いまいく! じゃあな……シュウ。またこんど。」
「うん、いってらっしゃい。」

まるで、散歩にいくときみたいな、軽いいいかた。
あえて、軽くいいたかった。
だって、なんか重苦しくいったら、もうもどってこれないみたいじゃんか?
だから。
俺はシュウに手を一瞬ふってキャラバンにのりこみ、席につくと、ふわっとうかんだキャラバンは、シュウにさようならとつぶやくまでもなく、出発してしまった——……。