二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: イナクロ〜なくしたくない物〜8話更新&400越え ( No.47 )
日時: 2012/08/08 11:44
名前: 柳 ゆいら (ID: z52uP7fi)

9話   「『あのひと』のものなのか?」



(あのロボット……!)

天馬たちのサッカーバトル中。でてきたサッカーロボットに、どうしても俺は目がいって、はなせなかった。べつに、サッカーがすごいとか、そういう理由じゃなくて。
あのロボットの設計、どうかんがえても見覚えがある、『あの』設計図。

「風花、どうしたの? なんか、すごい怖い顔してるけど……。」
「えっ……。」

フェイにいわれて、やっと自分がどんな顔してたかわかった。
俺は、あわててとりつくろう。

「あ、や、わりぃ。」
「なんか、まずい展開?」
「いや、そういうわけじゃなくて……ロ、ロボットのくせに、サッカー案外うまいなーと思っちゃってさ。ハハハ……。」

なんだよ、フェイ。意外と観察力あるじゃないかよ。こまるんですがっ。
ていうか……フェイって、いったいなに者なんだ? いや、エルドラドに関係してる人間も、なに者なのか気になるけど、それ以前に、フェイ、俺たちとおなじくらいの年齢だろうに。
学校とかねえのかよ?

「なに? こっち、じっと見て。」
「へっ!? あ、いや、えっと、ばりぃ……。」

あ゛……「わりぃ」っていおうとしたら、思いっきりかんでしまった……。ぐうっ、舌がいたい……。

「ふ、風花、ちょ、だいじょぶ!?」
「お、おお……。」

クスクスととなりで友撫のわらい声。くっそおおぉお! わらうな、友撫ッ!

「あっ、決着ついたみたいだよ、お兄。」

さっきまでわらいまくってた友撫が、またニッコリわらっていった。友撫、見ておけ。
俺たちがかけよると、天馬はいった。

「とりあえず、もどろう!」
「だねっ☆」

友撫、セリフのあとに「☆」なんかつけるなっ。
可愛すぎるよぅっ////(←きゅんきゅんしてるキモい奴)
俺たちは、しまっていたとびら(はじまったとたん、きゅうにでられなくなっちまってさ)は、試合に勝ったためか、すんなりあいてくれた。

     ☆

キャラバン型タイムマシンに乗っているさなか。俺はひとり、最後列で、まどの外をながめながら、ぼーっとかんがえごとをしていた。
あの設計。あのロボット。みとめてもらえなかったはずの、あの。
信じたくないけれど、俺の目と記憶に、くるいはないはず。
となると、『アレ』は、ほんとうに『あのひと』のものなのか?
どうなってる? 『アレ』は、可能性がほぼゼロに近かったから、自分じゃないところにあずけたんじゃ……?

「なにかんがえてるの?」

フェイが俺のとなりにすわった。

「ん……。べつに。」
「なんでそんなに、いろいろとかくそうとするの? ……仲間だっていうのに。」
「仲間か……。」

なんでもいいあえるだけの関係が、仲間なのかな?
とは、もちろんいわなかった。これ以上、なにもしゃべらなかった。
けど、俺、いつの間にかねむってたのかも。


目がさめたときにはまどによりかかっていて。
フェイのオレンジの服が、俺の肩にかかっていた。