二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- ♯ 鬱陶しいくらいの熱気と、 ( No.3 )
- 日時: 2012/07/05 20:49
- 名前: 香月 ◆uDMe5UGKd6 (ID: xJkvVriN)
- 参照: \ 赤司様はゼッターイ /
涙を流してへたり込む先輩を、あたしは酷く虚ろな目で見ていた。
「——夏輝は悪くないよ、ごめんね、ごめ……っ、」
呆然と突っ立っているあたしを抱き締めて泣き出す先輩も居て、あたしは漸くじわり、と現実味を帯び始めた。
————敗北。
経験したことのない、屈辱。あたしを見下ろす、幾つもの目。所詮は一年でしょ、なんて囁き声。
「夏輝のせいじゃない…っ、私達、がっ、」
「、ごめんね、……っごめんなさい、」
わんわんと泣き出す先輩に、あたしはどうすることもできない。
縋るように回された腕は細いものが多く、こんな腕でバスケ、苦労しないのかなあなんて頭の隅っこで考えた。
いっそ違う人物になれればいいのに。けれど視界にちらつく青色は紛れもないあたしの髪の色。
キセキの妹。
いつからかそう呼ばれて、ちやほやされるようになってた。ただ、それだけだ。バスケを始めたのは小学校低学年の頃、キセキなんて程遠く、けれどもそれなりに実力はあった。
先輩たちよりも、上手いと自分でも思う。
けれど今回の、……全中を掛けた試合はあたしの経験したなかで尤も困難で難関で苦しくて怖いものだった。
兄は試合が好きだと言っていた気がしなくもない。よくわからない。
「青峰、って、名前だけだよね」
嗚呼、そうだよ。
それのどこが悪いんだよ。
あたしはバスケが上手くなりたいわけじゃない。兄さんと同じになりたいわけじゃない。あたしは、勝ちたいわけじゃない。
試合で動かなくなった足が、手が、熱を帯びて、じんわりとほぐれていくのが分かる。何て情けないのだろう。あたしはぱっと目を伏せた。
「卑怯だよね、皆」
「——は?」
「寄って集って一人の子の悪口? でもさ、考えてみなよ。青峰は選ばれたんだ。上手かった。其れだけだろう? それに、キセキはキセキ、青峰は青峰。兄のように上手い、なんていうのはお門違いだ。ただでさえキセキは珍しいんだ。君達、馬鹿?」
そんな中に響く、不思議な声に、あたしは伏せた目をあげる。
「——嗚呼、挨拶が遅れちゃった。初めまして、……今回勝ちを貰った帝光中女子バスケ部部長、赤司、っていえばいいのかな。実はね、青峰を貰いにきたんだ」
/・・
ええと、青峰の妹の話ですね、赤司さんの妹も出張りますが。
本編伽羅では青峰と赤司贔屓になりそうです。兄妹だもn(、
余談。青峰妹こと、夏輝の通う学校は帝光ではない、別の強豪校です。といいつつ、強豪と呼ばれるようになったのは数年前から。
名前はまだない← その内考えます。
赤司様の妹の名前を実は考えてな…ごめんなさi(、
何だか夏輝と赤司妹がイチャイチャし出しそうで怖いです…べ、別に赤青贔屓じゃry
キセキ皆の妹出したいなー……無理か(、