二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂—白夜叉と黒夜叉— ( No.14 )
日時: 2012/07/17 18:29
名前: ARISA ◆05Q6suVuis (ID: I.8LRP4y)

○5話

「………………………」

「………………………」

「………………………」

無言だった。

凛、沖田、土方は、銀時のところに行こうと、万事屋へと向かっている途中だった。
さあ、今から大好きな人のとこへ行きましょう!的な感じで言われた凛は、

「…………あの、すみません。歩いて行ってもよろしいですか?」

自分で歩いて行きたい気分になっていた。
何故か。それは、まぁ普通の人が聞いたら当たり前のことだ。
だが、土方と沖田は………、

「何でだよ、お前、場所わからねぇだろうが」

「そうでさァ。こんな土方の言う事も聞いてやってだせェ」

「総悟、テメェ!!」


——————ハァ………。


だから嫌だったんだ、と凛は思う。
この車で、この席で行きたくなかった。
今の凛の席は、前に運転手が一人。
凛の両脇に、土方と沖田が陣取っている。

———私を挟んで喧嘩するな!!

と思う凛だが、送って貰っているため、強くは言えない。
しかも、真選組の車で…………。
真選組の車=パトカー。
誰だって、こんなもので送られたくはないだろう。
連行されているみたいだからだ。

「とりあえず、もう少しで着くから待ってろ!」

「………………ハァ」

今日何回目の溜息だろうか、と凛は考える。
「溜息をする分、幸せが逃げる」というが、それは本当なのだろうか?

————多分本当なんだろうな……。

この状況を見ていると、凛はそう思う。
また溜息をつきながら、下を向く。
あまり、この人達と関わり合いになりたくない、というのが凛の本音だ。
まぁ、この時点で十分関わり合いになっているが。
もうめんどくさいから、凛は考えないようにしていた。









ブォン、と音を立て、車は止まる。

「着いたぞ、ここだ……って、おい!」

土方が言う前に、もう凛は飛び出すように車から出ていた。

「着いたああああああああああ!!!」

凛はそう叫びながら、背伸びをする。
少し楽になった後で、目の前にある建物を見上げると、こう書いてあった。

『万事屋銀ちゃん』

「銀ちゃん」の部分を見て、ようやく来れたんだな、と凛は感激していた。

(ようやく会える………!)

凛は、目をキラキラさせながらその看板を見上げていた。
そんな光景を見ていた土方達は、声をかけづらかったのか……、

「(おい、こういう場合はどうすればいいと思う)」

「(知りませんよ、放っておいた方が良いんじゃないですかィ?)」

「(そういっても、こいつ何やらかすか分からねぇじゃねぇか)」

「(俺、めんどくせぇこと嫌いなんで。後土方さんが何とかしてくださいよ。言い出しっぺじゃないですか)」

とか、ヒソヒソと話をしていた。

※良い子は真似しちゃいけません。

「………あの、お二人さん。聞こえてますが?」

「「うわっっ!!」」

「…………」

凛が声をかけると、二人は声を揃えて驚く。
気が合うのやら、合わないのやら………。
凛はそう思っていた。



遂に、銀時のところへ来れたんだ!と凛は玄関の前でも感激していた。
いい加減、落ち着けや。と土方達は思っていたが、そこはもうスルーすることにした。

「早く開けましょうよ!!」

「そう急かすな、少し待ってろ」

そう言うと、土方は玄関を軽く叩きながら銀時たちを呼ぶ。

「おい、万事屋!お前に客だ、早く出てこい!」


シーン……………。

中は人の気配がなく、静まり返っている。
留守なのかな?と凛が思い始めた時、

ドタドタドタ………、と足音が聞こえてきた。
銀時かな?と凛は期待していたが、出てきたのは…………、

「あ、土方さん達じゃないですか。どうしたんですか?」

何か、ダッサイ眼鏡をかけたダサオだった。
見た感じ、ダメガネというイメージの少年だった。
凛は心の中で、

(………ダメガネだ、うわ。何、こいつ)

とか思っていたら、そのダメガネ(?)が

「ちょっとおおおおお!!!あんた、今ダメガネとか思ってたでしょ!失礼なこと思ってたでしょ!!」

「え、何こいつ!私の心読んだ!キモ、キモッッ!!」

「二回もキモいって言うなああああああああ!!!」

と、凛の心の中を読んできた(?)。まぁ、ただ感じた、というだけなのだろうが。
はぁ、とそのダメガネは溜息をつきながら、

「ボクの名前は、志村新八しむらしんぱちです。ダメガネじゃありませんので、そこら辺よろしくお願いします」

「は、はぁ………」

急に自己紹介してきた。
べつに、ダメガネでいいかなぁ、と凛は思っていたが、流石にダメらしい。
仕方ないから、凛はダメガネのことを新八と呼ぶことにし、自分も自己紹介をすることにした。

「わかりました。では、新八さんと呼ばせて頂きます。それと、私、この度依頼しに来ました黒翔凛こくしょうりんと申します」

よろしくお願いします。

そう言うと、凛は礼儀よくお辞儀をする。
その態度に、少し新八は戸惑ったが、すぐに持ち直して、

「は、はい!凛さんですね。それでは、銀さんを呼んでくるので、上がってて……」

ください、と続くはずだった新八の言葉は、あるものの言葉で遮られた。
もちろん、ある者とは………、



「おい、メガネ。さっきから騒がしいけど何してんだ?」




あの、白髪天パ。
あの、死んだような魚の眼。

あの姿、声、顔。



見間違えるはずがない。

あれは、確かに——————。





「銀時ッッ!!!!!」




そう言って、凛は彼に抱きついた。


ドゴッ、と、何だか鈍い音を立てて銀時は後ろへ崩れる。

「ってぇなぁ、何なんだよ……」

そう言って、自分にしがみついている者を見ようとする。
その者は、ずっとしがみついていて離れようとしない。

「銀時…………、銀時ぃッッ!!」

銀時は、自分の名前を呼ぶ者の姿を見て、一言、こう言った。



「お前…………、凛か?」



名前を呼ばれた凛は、泣きながら、元気に返事をした。


「うんッッ!!」




—————————はい、中途半端ですが、ここで一旦切ります^^

というわけで、銀さんと凛、ようやく会えましたね。
いつ会わせるか、と考えながら、やっぱり今回あわせることにしましたww
とりあえず、会わせることが出来たので、次々とはなしが進んでいくと思いますので……。

よろしくお願いします^^


おまけ

高杉たちも、次からは話の所々に出てくる予定なので、お楽しみにww