二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 銀魂—白夜叉と黒夜叉— ( No.15 )
日時: 2012/07/24 13:37
名前: ARISA ◆05Q6suVuis (ID: I.8LRP4y)

○6話

こうして、銀時と再開した凛は……、

「………おい、万事屋」

「なんだよ、マヨラーが」

「うるせぇっな!!今はそれを聞いてんじゃねぇんだよ!!」

「んでなんだよ、ったく、面倒クセェな………」

「んで、話に戻るが………。そのガキ、何者だ?」

銀時の腕に捕まっていた。
本来なら、依頼してきたものは銀時の向かい側に座るわけなのだが、
凛はどうしても銀時の隣に座りたいらしい。
無理を言ってか、銀時の隣に座り、離れないように銀時の腕をぎゅうううっッッ!!と掴んでいる。
それに対して銀時は、

「おい、凛。少し話せよ。な?」

銀時は、凛に話すように言うが、凛は「え〜ッ」と言うだけで、話そうとしない。

「だってさ、この人達真選組でしょ?私、この人達に話しちゃダメって言われてるもんさ」

それを聞くと、沖田は気に入らないというような顔で、凛に聞き返す。

「へぇ、それを真選組の前で言えるってのも、結構勇気あるじゃねェか。
 それで?俺等を悪く言っている奴ってのは、どこのどいつでィ?」

「………え?」

「だから、俺等を悪く言ってる奴は、どこのどいつだって言ってんだよ。
 答えられるよなァ?なんだっけ、黒翔凛こくしょうりんさんよォ」


—————これは困った。

と、凛は思う。なぜなら、それを私に言ってきた相手は………、

「あぁ、高杉だよ」

————そう、高杉だ………、って、え?

自分で納得しかけた凛だが、流石にそれは納得できなかった。
なぜなら、それは言ってはいけない事だったからだ。

————てか、誰が「晋助が言った」なんてことを言ったんだ?

凛は、それを疑問に思い、声のする方を向く。
すると、そこには………、

「やぁ、久し振りだね。黒夜叉くろやしゃ

「お前は…………!」

「……神威」

神威が立っていた。
神威とは、夜兎族の一人。
夜兎族とは、宇宙最強最悪と言われる傭兵民族で、戦いを好む集団だ。
数多の星を潰してきたと云われ、幾多の戦いでの犠牲及び今では廃れている「親殺し」と云う独特の風習により、現在は絶滅寸前に陥っている。
そんな数少ない夜兎族である神威は、春雨の幹部で「春雨の雷槍」と呼ばれる最強の戦闘部隊・第七師団の団長である。
あの星海坊主の息子で、神楽の実兄だ。
オレンジの神を、後ろで三つ編みにし、前の方に持ってきている。
確かに、髪の色は神楽に似ているかもしれない。
あのニコニコとした笑顔が、逆に恐ろしい。

いつの間にか窓からこちらへ顔を覗かせていた神威は、ヒョイッと部屋の中に入ってきて、凛の方へと近寄る。
だが、その間に入るように銀時と神楽が凛の前に出る。
沖田達も、銀時たちに比べて遅れたが、凛を庇うようにして神威に剣を向けた。

「てめぇ………、よく俺達真選組の前に顔出せたな?」

土方が、先程からは考えられないようなさっきを神威に向ける。
沖田も土方と同様に殺気を向けるが、神威は大して気にしている様子もなく、凛に対してニコニコと笑顔を向けている。

「え?何で俺が弱いやつを相手にしなきゃいけないのさ。俺は、強い奴にしか興味ないの」

幼い子供にでも言い聞かすような口調で土方達に言うと、薄い目を完全に開き、凛の方を見る。
神楽と同じ、青い目なのに、神楽とは違う、青い目。

殺気の量が、違うのだ。

神威の殺気をこんなに近くで感じた凛たちはゾッとした。
銀時や、神楽達は神威と戦ったことはあるだろうが、土方達は、まだない(はずだ)。
銀時達は、殺気を受けてすぐに自分のペースに直せたが、土方達は、殺気に気圧されて、ペースを戻すのが遅れてしまった。

それが、一瞬の隙となる。

ビュッ————と、音を立てて神威の作った手刀が土方の腹部に入る。
土方は一瞬何が起こったか分からずその勢いのまま床へと倒れる。

「土方さん!!テメェ…………」

                   
沖田が倒れた土方の方を振り向き、神威が「いた」方へと視線を向ける。

だが、神威はそこにいなかった。
土方に攻撃をした後に、確かに沖田が視線を向けたところに「いた」のだ。

だが、結果として神威はいない。

(どこにいる……!?)

沖田が部屋の周りを見渡すが、神威はどこにもいない。
すると、不意に沖田の後ろから声が聞こえてくる。


「ここだよ、バーカ」


沖田が気付いた時にはもう遅く、神威は沖田の首元に先ほどの一撃を入れ、沖田はそのまま倒れていく。

「総……悟ッ…!!」

土方はかろうじて意識が残っていたようで、倒れた沖田の方にフラフラになりながら近づく。
先程の一撃が効いたのであろう。沖田は意識がなかった。

「何だ、やっぱり弱いじゃん。真選組なんて、相手にしても面白くないよ」

神威は、いつの間にか先ほどの窓のところにいた。
息切れ一つしてなく、まだ戦えるというほどだ。
銀時は凛を自分の後ろに置き、神威を睨みつける。
だが、神威はそれに臆する様子もなく、ただニコニコと笑っている。
ただ、それは何の感情もこもっていない、見ているだけで寒気のする笑みだったが。

「テメェ、何しに来やがった?」

銀時が呟くように神威に問いかける。

「俺等ンとこに、何かようでもあるって言うのか?なら、今ここで言ってけ」

そう言うと、神威はやはり先程と変わらない表情で銀時に言う。

「やだなぁ、人聞きの悪い。俺は、ちゃんと用があってきたんだよ」

「ならさっさと言いやがれ。俺は、お前になんの用もない。消えてくれることを一番望んでいる」

銀時がそう言うと、神威は開けて炒めを閉じながら、残念そうに溜息を吐きながら言う。

「そんな事言わないでよ、悲しいなぁ。まぁ、俺もさっさと帰りたいからいいんだけどね」

「じゃあさっさと言っていなくなれやこの野郎」

「息継ぎなしで言わなくても……」

何やらコントみたいな会話をした後、神威は急に本題に入った。

「俺が用があるのは、黒夜叉、あんただよ」

「………私?」

銀時一同は神威が指名したのが凛で驚いていた。
いや、銀時以外は別のことで驚いていたが。

「銀さん。………『黒夜叉』って、何ですか?」

神楽も、新八も、土方も、それが疑問に思っていた。

『黒夜叉』。

銀時が『白夜叉』と呼ばれていたことは知っている。
だが、『黒夜叉』は知らない。

(まさか、この子が……?)

新八はそう思って訊いたのだが、銀時はそれを無視し、神威に言う。

「凛に何の用があるってンだ?」

いつもの銀時では考えられないような殺気を神威にぶつける。

(さすが『白夜叉』。殺気が痛いね)

実際、神威は銀時の殺気に舌を巻いていたが、それを表には出さない。
飄々とした様子で、話しを続けた。

「いや、高杉からの伝言。高杉、『黒夜叉』のこととっても気に入ってるみたいだからね」

「……高杉のヤロォが?」

「……晋助が?」

そうだよ、と神威は呟き、

「高杉が、『しばらく銀時の側にいろ。あいつは気に食わねぇ奴だが、お前を守ってくれるだろうから』だってさ」

「ちょっと待て、俺の意見は無視か高杉よォ!!」

———今そこなの、銀時………?

そう思いつつ、凛は神威に問いかける。

「………それは、本当に晋助からなんだよね?」

すると神威は、

「あぁ、そうだよ?」

凛と神威はしばらく睨み合った後、凛が口を開いた。

「分かった、しばらく銀時のとこにいるよ」

ちょっと凛さんんん!!?という銀時の声は無視して、凛は「でも……」と続ける。
神威は少し首を傾げた。だが、次の凛の一言によって、緊張が最高点になる。



「テメェが銀時のとこにまた来て、ウチのトモダチ傷つけるってンなら、手加減はしねェからな?」

覚悟しとけ、神威。


神威は、閉じていた目を開けて屋根の上に乗り、構える。


「…………凛?」


神楽は、何をしたのかが分からず、凛の顔を覗いた。
凛の顔を見て、神楽はゾッとする。

先ほどの凛とは思えないほど、殺気のこもった目。

さっきまで銀時の腕を掴んでいて「可愛いなぁ」とか思っていた子が、こんなになるとは、思ってもいなかった。


神威は、徐々に薄まっていく殺気に反応して、構えを解いていく。
そして、目を開けたまま笑い、

「あぁ、肝に銘じておくよ。『黒夜叉』さん」

そう言って、神威は去っていく。

凛と銀時は、神威のいなくなった後も、神威がいた場所を睨み続けていた。

そして、神楽と新八は、凛たちに恐怖を覚えていた。



———————————

はい、ここで一旦切ります。
長かった………wすみません、いつも長くてww

神威くん登場です。私的には、高杉のほうが好きなんですけどもww
でも、どっちも好きですよ!?
まぁ、今回の話では神威くん、伝言役として登場しました。
いやぁ、神威くん強いw沖田倒しちゃったw
まぁ、私が書いたんですけどねw

次は、凛について書きたいと思います。それでは…………ノシ