二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂—白夜叉と黒夜叉—リメイクします!! ( No.75 )
- 日時: 2012/10/30 20:56
- 名前: ARISA ◆05Q6suVuis (ID: ochT2IaH)
○Prologue
攘夷戦争の最中。
灰色の雲が広がる曇天の下で、彼女は一振りの剣を振るって走っていた。
戦争中と言う事もあり、彼女の周りには血の海が広がっており、刺された、あるいは撃たれたと思われる、以前は息をしていたとおもわれる肉塊がそこら辺にゴロゴロと転がっていた。
彼女はそれに目向きもせず、ただただ走っていた。
目的も、何もないであろうに、ただただ走る。
いや、目的がないというのは偽りであろうか。
彼女はこの戦争の中で「生き残る」という名のもとに全てを懸けていた。
彼女の瞳には、それだけしか写っていなかったのだ。
自らの命の灯火を消さないようにすることだけしか。
「ぐあああああぁぁぁっっ!!!」
悶え苦しむ声が聞こえる中でも構わずに、彼女は剣を振り続けた。
彼女の剣の扱いは素人とは思えないほどの腕前で、剣を一振りすると敵の急所に確実に入っているため、余計な労力を使わずとも敵の息の根を止めることができていた。
彼女は決して自分で意識はしていなかったが、元からの才能か、それともこの戦争の中を生きていく中で生まれた武士としての本能か。
彼女の繰り出す攻撃は、天人であっても止めることは出来なかった。
彼女はまだ、10にも見たない子供だというのに。
しばらく走り続けているというのに息切れ一つしていない彼女を不気味に思ったのか、天人が7,8人位集まり、動きを止めようと、一人ひとりが彼女の足や手首に向かって剣を振り下ろした。
だが。
「—————邪魔。」
本能のままに動く彼女には、そんな攻撃は通用しなかった。
自分の弱い筋肉を使って、どれだけ効率良く相手の元へと飛び込んで行けるか、彼女の脳はそれだけを意識をせずに考え、手足へと命令を送る。
その行動を実行した後は、いつもと同じように相手の首元へと剣を吸い込ませて、切り裂くだけだ。
その行動には、いくら人がいても変わりはない。
人数が多い分、敵からしては動きにくいと思っているであろうが、彼女からしては動きやすかった。
敵は味方が多くいる。その分味方を傷つけまい、とする考えが体へと回っていく。周りには味方がたくさんいる為、その味方に剣を届かせないように剣を振るう。そうすると、剣の動きが一対一で戦う時よりも鈍るため、彼女の側からすると、遅くなった剣の動きを見るのは、止まっている蚊の姿を見るようなものであるため、敵のことを斬りやすいのだ。
そのことに気付かぬ憐れな天人達は、集団で攻撃を仕掛ける。
そして、また命が1つずつ確実に散っていく。
天人は、10歳にも満たない彼女の前に、為す術もなく、ただただ散っていく事しか出来なかった。
◇◇◇
裸足で走るたびに、自らの足が悲鳴を上げるのが分かった。
だが、今立ち止まるわけにはいかなかったのだ。
今ここで立ち止まれば、自分の命は、いとも簡単に終わりを告げるだろう。
それなのに。
彼女の前に、一人の人間が立ちふさがった。
◇◇◇
彼女の第一印象は、死んだような目をした男、というものだけだった。
生きてはいるが、本当に生きていると実感しているのだろうか、と思うような瞳を持った、白髪に近い銀髪の天パの男。
だが、今の彼女には関係がなかった。
生きていようがいまいが、自分の前に立ちはだかる者は、切り伏せていく。
そう誓ったのだから。
そう考えると同時に、彼女はもう相手の懐へと飛び込んでいた。
いつものように、相手の首元へと剣を滑りこませ、そのまま切り裂き、当たりは血の海になる……
はずだった。
だが。
キィンッ—————
金属音が、戦場に鳴り響いた。
最初は何が起きたか分からなかったが、目の前の光景を見ると、あの死んだような目をした男が、自分の剣を止めているのを、彼女は目撃した。
信じられない。それが最初の感想だった。
自分の剣を止められるものが存在するなんて、彼女は思ってもいなかったのだ。
「お前な、斬りかかる前にまずは人の話を訊けよ。」
溜息をつきながらも、笑いながら、目の前の男はそう言った。
だが、彼女はただ男を睨みつけいているだけで、返事も何もしなかった。
睨みつけている、というよりは、ただ怯えているだけなのかもしれない。
誰も、知り合いがいなくて。
しかも、周りは皆が皆、敵だったから。
男は彼女の剣の力を違う方向へと逃がし、重なっている剣を離した。
そして、男はまた斬りかかってくるかもしれないという可能性もあるのに、剣を鞘へと収めた。
————?
彼女は、一瞬、男が何をしたのか分からなかった。
何故、この状況で剣を鞘へと収めるのかが、理解できなかったのだ。
すると、目の前の男は、
「大丈夫だよ、俺は味方だ。だから、そんなに怯えるな。」
「…………え?」
彼女はつい言葉を漏らした。
だが、それに構わず男は彼女へと近づいていき、話しを続ける。
「お前は、天人を切り続けてきた。しかも、たった独りでだ。けど、もう一人で戦う必要はない。」
「これからは、俺たち、攘夷志士がついてる。だから、お前も俺たちのところへ来い。」
そう言って、彼は————坂田銀時は、彼女へと手を差し伸べた。
彼女は少し戸惑いながらも、自分へそんな言葉を架けてくれるとは思わなかったため、少し嬉しげに笑いながら、手をとった。
彼女———黒翔凛は、今まで見せたことのないような、優しい笑みを浮かべた。
最後のほうgdgdですみません><
かなりアレンジしました、スミマセン(´・ω・`)
相変わらずの駄文ですが、よろしくお願いします←