二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 銀魂—白夜叉と黒夜叉—リメイクします!! ( No.76 )
- 日時: 2012/11/03 19:25
- 名前: ARISA ◆05Q6suVuis (ID: ochT2IaH)
○Prologue②
黒翔凛が坂田銀時に保護されて数十分後。彼女たちは天人数十名に囲まれていた。
たまたま二人で銀時の仲間の元へと走っていたら、たまたま天人たちが数名がかりで襲ってきて、たまたま二人で一人ずつ倒そうとした時に天人たちが振り下ろした剣を避けたら、たまたま天人たちが自滅をして、たまたま天人たちの仲間達がそこにいたらしく、たまたま銀時と凛は天人たちに囲まれた———とたまたまが連続する本当に偶然が重なっての状況である。
銀時は、少し焦りながら凛の様子をうかがった。これだけの小さな子供だ。この状況で怯えているに違いない。
だが、銀時が見たものは普通とは違っていた。
————こいつ、笑ってる……?
銀時の隣で剣を握っている少女は、確かに笑っていたのだ。それも、ゾクリとするような、冷たく、それかつ楽しげな笑みを。
銀時は、背筋に悪寒を感じるのが分かった。今まで生きてきて、戦争の中でいろいろなものに会ってはいるが、こんな少女に、こんな笑みを浮かべる者に、会ったことはない。
まるで、「『戦争』という遊びをして楽しんでいる子供」のようだった。
銀時がそちらを見ている隙に、天人達は銀時に斬りかかっていった。
銀時は一歩遅れてそのことに気づくが、もう遅い。
天人は銀時のすぐ近くまで迫っており、今すぐ剣を抜いたとしても間に合わないくらいまでの距離まで近づいていた。
チッと舌打ちをしながら、間に合わないと知りながらも銀時は腰に手をかけ、相手の攻撃を避ける気でいたのだが……
キィン、と金属と金属がぶつかる音が銀時の目の前で鳴った。
そこには、天人の攻撃を受け止める凛の姿があった。
銀時は、驚いた顔で目を見開き、凛のことを見つめた。
———いつの間に入ったんだ!?
銀時は、そう考えながらも凛が作ってくれた一瞬の時間で剣を抜く。
そして、凛が目の前の天人を押し返すと、その押し返された後の体勢を整え終える前に銀時が相手の懐へと飛び込み、心の臓を貫いた。
一人の仲間が散っていったにもかかわらず、相手の攻撃の勢いは止まらない。
だが、その勢いよりも銀時と凛の攻撃の勢いのほうが大きかったようで、この戦いの決着はすぐに着いた。
結果は言うまでもなく、銀時たちの無傷での勝利だった。
◇◇◇
「おぉ、銀時!帰ってきたか……。そして、その子どもは一体どこの子供だ?」
そう言って銀時に近づいてきた黒いロングヘアの男は、凛の方を見ると、不思議そうな顔をして銀時に尋ねた。
すると銀時は、少し深刻そうな顔をして、軽く呟いた。
「なんだ、ヅラか。……あぁ、こいつか?こいつは、この戦争の中で、一人で戦ってたんだよ。………本当に、独りでな。」
「ヅラじゃない、桂だ。……それは本当か?」
「あぁ、本当だよ。天人達を片っ端に斬ってたの、俺が見たからな。」
そう言うと、ヅラと呼ばれた男(本人は桂だと訂正した)———桂小太郎はフムと唸り、顔に手を当て黙り込んだ。
すると後ろからまた黒髪の男が銀時たちの近くに来た。
「銀時、何話してんだ?」
「今度は高杉かよ……。」
「かよ、ってお前な……。」
呆れ気味で銀時達に言ったのは、高杉晋作。桂と同じ黒髪だが長さは短く、綺麗な緑色の瞳を持った男だ。
高杉は、銀時の隣にいる凛の存在に今気付いたようで、
「おい銀時、こいつ誰だ?」
凛のことを怪しげに見る高杉を見て銀時は溜息を付き、
「さっきヅラにも説明したけどよ、この戦争の中で一人で戦ってたんだよ。えらい勢いで、天人のこと斬り続けてたよ。」
銀時がそう言うと高杉は驚いた顔をして、
「こいつがか。一人で戦ってたのか?」
「あぁ、そうだよ。……それがどうした?」
銀時が不思議そうに聞くと、先程から黙りこくっていた桂が「思い出した!」と声を上げる。そして桂が、
「戦場で噂になってるんだよ、この子が。たった一人で天人たちを薙ぎ倒して行く女がいるって。」
「あぁ、俺もそれを聞いた。でも、まさかその女がこいつだったとはな……。」
「いや、俺そんなの全く聞かなかったんだけど?お前らだれも言ってなかったけど?」
「そりゃお前に言っても何にも言わねぇだろ?だから言わなかったんだよ。」
「俺もそう思ったから言わなかったぞ。」
「そりゃ確かにそうだけどよ………。」
銀時が話を続けていると、それまで放置されていた(?)凛が恐る恐る銀時達に、
「あの……、私はどうすればいいんですか?」
そう聞いた。
凛をどうするか考えてなかった銀時達はそのことをふと思い出し、「あ」とみんなで声を上げた。
銀時は「こいつを避難させよう」と言った。桂も銀時と意見は同じみたいだ。
だが、高杉だけは一人だけこう言った。
「いや、こいつはここにいるべきだ。」
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こんばんは、ARISAです。
Prologueが②まであるとかありえねぇと思う方もいらっしゃるかと思います。
ゴメンナサイ、長引きましたm(_ _)m
そしてまだPrologue続きます、ごめんなさいm(_ _)m
多分③、④くらいまで行くと思いまs(((
それでもよかったら見てやって下さい←