二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.149 )
- 日時: 2012/08/31 17:57
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
「萌香—ーーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!」
タタタタ…と、ドリンクを抱えた危なっかしい足取りで萌香に駆け寄った。
「さつき・・・・。」
萌香は困惑した様子で桃井を見る。
「…さっきの人誰?知り合い?」
桃井は心配そうに萌香を見た。
「…いや、さっき知ったばかりなんだ・・・。」
「なんか危なそうな人だったけど・・・。」
驚いた。他人から見ても海馬はそんな風に見えるのか。
いや、でもこれはするどい観察力のある桃井の成せる技か。
どちらにせよ、わからないことでいっぱいである。
萌香はそんな思いを振り払うように桃井の抱えているドリンクを半分持った。
「そんなことより早く体育館行こう!みんな待ってるぞ!」
萌香は笑いながら走り出した。
「あッ!萌香まってよ〜!」
桃井もつられるように走り出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
学校が終わり、部活が終わった後、萌香は黄瀬や黒子の誘いを断って急いで家に帰った。
その目的は意地でもアルバムを探すことである。
今日は幸い萌香の母がいないため、じっくり探すことができる。
萌香はあわただしく靴を脱ぎ、カバンを床に投げ捨てて、居間に向かった。
「絶対に探さないと…!」
あの夢に出ていたことは過去に起こった本当のこと。
萌香は今までずっとあの海馬の言葉が脳裏で回っていた。
37分ぐらい騒がしくがさがさとアルバムを探していると、分厚く大きな辞書のようなものが出てきた。
それは、案の定アルバムだった。
「あった…ッ!」
萌香はバッとアルバムのページをつづると、信じられない光景が目に映った。
「…・うそ・・だろ…!」
そこにあった写真は確かに自分で、偽物だった。
自分にそっくりだが、違う。萌香の目の色は黄色のはずなのに、写っている自分は緑色だ。
そして、自分じゃないと決定づけるものがもう1つあった。
誕生日を祝っているであろう写真。
写真の下に書いてあった文字には、
『ルカ、4歳の誕生日おめでとう!』
と、書いてあった。
ほかの写真も全部、ルカだった。
「…誰…?」
萌香はポロリとアルバムを落とした。
「私はだれなんだ…………!?」
萌香はギュッと自分の肩を抱きしめた。
—ーーーーーーーー同時刻、白銀海東、海馬のアジトーーーーーーーー
「にーさんもったいないことするなあ〜。あーんなかわいい子壊すだなんて。」
「…あの失敗作が性格の利き手も体質も、…眼の色も同じだったらこんなことはしなかったさ。」
「失敗作ってひっどいなー…。一応アンタの娘だろ?」
「娘?あんな失敗作がか?あんなものにそそぐ愛情なんてないな。」
「うっわあー。宝の持ち腐れってやつ?まあいいや〜。僕は研究体の研究をするだけさ。」
「だってあの子は白銀琉香のクローンなんだから。」