二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.15 )
- 日時: 2012/07/25 14:32
- 名前: 黎 (ID: N7iL3p2q)
「…嫌いになったんじゃない。させられたんだ。」
サッと青峰からボールを取ると、パッと赤司はシュートを決めた。
ダムッとボールがバウンドした音しか聞こえない。
それほど静かになっていた。
「させられたって…どういうことですか?」
下を向きながら黒子はしみじみと話した。
紫原がちらりと赤司のほうを向いたが、赤司は転がるボールを眺めていた。
「…あれは2年前。つまり、小学6年のときだ・・・。」
フッと赤司は目を閉じた。
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「はあッ・・・・!やっと追いついた…!萌香…ほんとにどうしたの?」
桃井は息をきらしながらも萌香に追いついた。
萌香がいたのは体育館裏。
そこに萌香は静かに座っていた。
「…私、笑ったりも怒ったりもしないから。…萌香私を信じて?」
桃井も座りながら、母親のようにやさしく萌香を見つめた。
「…私がコレを話すのはさつきが最初で最後。」
「・・・うん。」
萌香は少し上を見据えた。
「私、バスケ小6までやってたんだ。」
ーーーーー2年前ーーーーーーーーーーーーー
「萌香。今日も最後まで居残りか?おばさんに怒られるぞ。」
赤司は午後6時ぐらいまで楽しそうにバスケをする萌香を諭すように注意した。
キュッと動きを止めた萌香は、
「大丈夫だよ!今週の土曜日は試合なんだからこれぐらいやらなくてどうする!」
と言って、また練習を再開する。
「もう、みんな帰っているのにな…。それに、今回は俺が体育館のカギ当番だってのに・・・。」
フウッと赤司はそんな萌香を見つめながらつぶやいた。
そして、何かを閃いたようにニヤッと笑った。
「よしっ!これで3P50回いれたっ・・・と?」
バシイイイイン!とボールがはじかれた音がした。
バールをはじいたのは案の定赤司だった。
「そんなにやりたいならオレとやろう。…エースちゃん?」
赤司はボールを萌香に投げると不敵に笑った。
「その呼び方やめろって言っているだろう!?」
萌香は少し顔を朱に染めながらボールを取った。
「よしっ!良ーい…スタートォ!」
・・・・・・・・・・・
「はあー。征ちゃん手加減してくれないかぁ…?」
「おまえに手加減なんかできないな。」
バッサリと返された。
帰りの道中、萌香は伸びをした。
「でもさ!2人レギュラーで私はSF、征ちゃんはキャプテンでPGだろう!?これってすごいな!」
きらきらと萌香は赤司を見る。
「・・・そうだな。」
フッと赤司は笑った。
「…萌香。次の試合、おれも来るからな。」
「ああ!」
「・・応援してる。」
赤司は上を向いて笑う。
「土曜日楽しみだなあ!」
萌香は赤司の手を引っ張って走り出した。