二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.168 )
日時: 2012/09/02 11:02
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

 その頃萌香は静かに手紙を書いていた。
 宛先は萌香しか知らないが。
 まるで、もう帰ってこれない人間のように手紙を書いていた。
「私のせいで父さんと母さん離婚しちゃったのかな・・・。」
 萌香は悲しそうにつぶやいた。
—もし、私のせいで離婚しちゃったんなら私なんか消えてしまえばいいのに—
 萌香は書き終わった手紙を静かに封筒へ入れた。
「萌香・…!?」
 ドサッと鞄が落ちる音がリビングに響く。
 振り向くと、顔を真っ白にしたあかりがいた。
「母さん・・・。」
「見ちゃったのね…。アルバム・・・。」
「・・・ああ・・・。」
 あかりは萌香の肩をつかむと、
「でも信じて。あなたは私の娘よ・・・。」
 あかりは必死な目をしていった。
「…ありがとう母さん。・・・でも、もういいんだ・・・。」
「萌香…?」
 萌香は玄関へずんずん歩いていく。
 そして振り向くと、こういった。
「さよなら。」









・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…待て赤司ッ!」
 緑間は赤司の肩を荒々しくつかんだ。
「はなせ緑間!」
「落ち着きなよ〜。赤ちん。」
「そーだぜ。お前らしくもない。」
 紫原と青峰の仲裁もあり、赤司はようやく落ち着いた。
「…お前たちはあいつのことをなんもわかっちゃいない…!」
「あいつって萌香?」
「…ああ。そうだ。」
「どういうことだよ?」
 青峰の言葉に赤司は黙っていた。





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「萌香!」
「萌香っち!」
 タタタ…と桃井と黄瀬が萌香に駆け寄った。
「どこに行ってたの?心配してたんだよ?」
「そうッスよ!おばさんに聞いても泣いてばっかだったから…!」
「…ごめん。さつき。涼太。もう私…自分がなんなのかわからなくなっちゃった・・・。」
 うつむきながら答える萌香。
 しかし。
「いったろ〜。君は白銀琉香の器なんだって。」
 3人がハッと前を向くと、そこには海馬がいた。
「あの人・・・ッ!」
「あれがッスか…!?」
「海馬・・・。」
 海馬はおかしそうにククッと笑うと、手を頭に置いた。
「覚えてくれたんだ。うれしいねえ。でも今日は兄さんに頼まれて君の様子を見に来ただけなんだ。」
「…逃げて萌香ッ!」
「………ッ!」
 桃井に萌香は背中を押されて走り出した。
「あ〜ちょおっとお…。めんどくさいことしないでよなあ…。…あ〜あ…。結局こうなるのか・・・。」
 次の瞬間海馬の姿が消えた。
「どこに行ったの!?」
 桃井と黄瀬は周りを見回した。
「うっ!」
 気づいたときはもう2人とも海馬に腹を殴られ意識が途切れていた。