二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.178 )
- 日時: 2012/09/03 17:19
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
—琉香ッ!しっかりしろ!琉香!—
—やめてあなた!もう死んでる!—
—琉香・・・ッ!—
あれは…小さいころの私…?
…いや、違う、ルカだ。
死んでる?
ルカって死んでたの…?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「でも、よかったです。たいしたけがじゃなくて。」
「今日の夕方くらいにはもう退院できるみたいッス!」
「心配してくれてありがとー!テツ君ッ!」
桃井は一応病人とは思えない動きで黒子に抱き着いた。
しかし、それどころではない。
「…お前ら、海馬を相手に良くその程度ですんだな。」
赤司は驚いたように黄瀬と桃井を見る。
「テツぅ。お前こいつらといたんだろ?よくけがしなかったな。もしかして、ミスデレクション使ったとか?」
青峰がいたずらっ子のような顔で笑う。
黒子は自分を戒めるように、
「…僕は迷子で運よく気づかれなかったんです。」
「・・・まじかよ。」
青峰は心の中で自分の言葉を撤回した。
「で、話戻すけどさあ〜。赤ちん海馬って誰?」
紫原は視線を赤司に移す。
「…萌香の父親の弟だ。」
「なんで萌香のおじがこんな物騒なことをするのだよ。」
緑間は睨むように赤司を見る。
「…大体の見当はついている。…なぜなら萌香は・・・。」
赤司が言い終わる前に黄瀬と桃井の病室のドアが開かれた。
「それは私が話すわ。」
「誰?」
紫原の失礼な言葉を緑間が塞ぐ。
「ごめんなさいね。私は白銀あかり。萌香の母親よ。」
あかりは悲しそうに微笑んだ。
「…どうしてここに?」
赤司の言葉を聞いたあかりはキリリと真面目な表情に変わった。
「…あなたたちがここにいるって海馬が教えてくれてね。…ごめんなさい。もう離婚しているとはいえ、元夫と元弟がこんなことをしでかしてしまってあなたたちを家庭の問題に巻き込んで。」
「いいえあかりさん。これはもう家庭の問題じゃ済まされません。…軽傷とはいえ被害者が出ています。…それに、あなたが来たのは誤りに来たことだけではないでしょう?」
大人の会話をしている2人に6人は黙ってみているしかなかった。
「・・ええ。そのとおりよ。征十郎君。私がここに来たのはあなたたちに萌香のことを知ってほしかったの。…あの子はあまり人とかかわったことがなかったから。」
「おいおい、まるで萌香が人間じゃない言い方だな?」
青峰が苦笑いで言う。
「…あの子は人間だけども、特別な生まれ方をしたの。・・・いえ、させてしまった。」
その言葉にみんなの空気が凍りついた。
「あの子が生まれる前の私たち白銀家の子供、白銀琉香。話すところはまずそれからね。」
悲しい過去が、舞い戻る。