二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.18 )
日時: 2012/07/25 14:33
名前: 黎 (ID: N7iL3p2q)

(まあ、応援するといっても…。)
(なんだ?)
(萌香が試合で何かしくじったときオレが徹底的にお前を矯正させてやるためだけどな。)
(はい!?)

・・・・・・・・・・・
「まさか帰り道へとへとになって疲れているところであんなこと言うか?普通・・・。」
 クルクルとボールを指の上で回しながら体育館へ向かった。
「ん?」
 体育館につくと女バスメンバーがざわざわと何やら騒がしい。
「どうしたの?」
 萌香はざわざわとしている集団の中心人物—ーキャプテンの沢村吉美に話しかけた。
 彼女—ー吉美のポジションはC。背番号は8番。
「ああ。萌香。って!こんなのほほんとしてる場合じゃなかった!ほら、これ見てよ!」
 ピラッと1枚の紙が渡される。
 ほかのメンバーにも配られていたようだ。しかし、顔色は良いものではない。
「え・・・。なに・・・これ・・・。」
「信じられないかもしれないけど、その紙に書かれてことは事実だからね。」
 くっと吉美は唇をかんだ。
「私たちと次戦う奈波小と戦ったところは怪我によって出てたメンバー全員強制退場…!?」
 クシャッと萌香は紙を握りしめた。
「ねえ…。奈波小の人達ってホントに私たちと同じ小学生?これまでの戦歴を見てると怖いよ・・・。」
 と、キュッと自分の肩を抱きしめる少女は佐々木菜々。ポジションはPG。背番号は4番だ。
「けど!」
 バッと吉美は菜々の手を握りしめた。
「相手がどんなラフプレーを仕掛けてこようと私たちはいつのと同じようにプレイするのよ!エースの萌香だっているし、気弱だけど司令塔の菜々だっている!そして私もいる!…頼りないかもしれないけど。ビビっちゃだめだからね!」
 オー!と威勢のいい声が体育館に響いた。
 そして、いつも通り、練習にみんなは没頭した。





ーーーーーーーーーーーーーー
「はあ〜。いつも練習きついのに今日はいちだんとひどいよ〜。」
 部活の帰り道、萌香はため息をつきながら肩をほぐした。
「仕方ないよ。吉美ちゃん、今回の試合今までよりすごく気合いはいってたもん。」
 にこにこと萌香を見つめる菜々。
「…菜々はそれにしても疲れた様子見せないよね・・・。」
「もー!私だって疲れてるよお!」
 ドン、と菜々は軽く萌香のランドセルを押した。
 おっとっと…。と萌香は体勢を整えると菜々にしゃんとむきあった。
「…菜々はさ。奈波小との試合どう思う?」
「怖いよ。」
 間髪入れずに菜々は答えた。
「私、弱虫だから。…でも私PGだから、みんなに指令を渡さないといけないから。奈波小のラフプレーは怖いけど、PGとして頑張るよ。」
 菜々はにっこりと歩きながらほほ笑んだ。 
 気づいたら、十字路の信号前についていた。
 10秒ぐらいしたら、信号が赤から青に変わった。
「あッ!私、お母さんに買い物頼まれてたからここで!じゃあねまた明日!」
「うん!」
 振り返ることなく菜々は走って行った。
 信号がいくら変わっても、萌香はその場から動かなかった。
「すごいなあ…。全然弱虫じゃないよ・・・。」
 感心したように溜息をついた。
「何が弱虫じゃないって?」
「うわああああああああ!」
 萌香は驚いて、後ろにのけざった。
 驚かしたのは万国共通赤司君。
「ななななんで?!」
「萌香がイースター島のモアイみたいに突っ立てるから来てみたんだよ。」
「考え事だよ。」
 萌香は少し顔を赤くしながらそっけなく答えた。
 そんな萌香をよそに赤司は、
「明日だろ。」
「え?」
「試合。」
「う・・・ん。」
 ぎこちなく答える萌香に赤司はズイッと顔を近づけた。
「・・・がんばれよ。」
 そういうとパッと赤司は先をずんずん歩き出していった。
「・・・ありがとう・・・。」
 萌香はほんのりピンクに顔を染めて、しみとおるよう歩き出してる赤司の背中にお礼を言った。


明日は土曜日。