二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.186 )
- 日時: 2012/09/05 19:26
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
—白銀兄弟どこかの研究所—
「・・・・・・・・。やべ。ごめん兄さん。」
「なんだ?」
パソコンに向かい即答する兄に海馬は、てへっと笑い、こういった。
「あの実験に使うチップ、落としちゃった☆」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・死ね。」
30秒。
30秒この空間は氷漬けの世界だった。
「ひっでー兄さん・・・。」
うう…と悲しそうに海馬はつぶやいた。
一瞬で海東が怒っているということが目に見える。
もう、海東は愚弟という名の弟に目を向けてはいなかった。
その瞬間、海馬は、
(さあて…。拾ってくれたかな…?影の薄い水色君…?)
と、意味ありげな笑みを浮かべた。
(君達は萌香を助けられる?)
そっと海馬は目を閉じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「へっくしゅッ!」
黒子はティッシュを取り出して、鼻水をふいた。
「ンだよテツ。風邪か?」
「…誰かが噂しているのでしょうか。」
青峰はなんだそりゃ、と言いながら、視線をあかりに向けた。
「あまり時間がないから早めに話すわね。私たち白銀家は代々科学者を生業としてきた家系でね。主に人体に関する研究を行ってきたの。」
「なんかかっこいい・・・。」
桃井が感心したようにあかりを見つめる。
「それがそうでもないのよ。…私たちは闇の科学者なの。政府直轄のね。だから時々禁忌を犯したりもした。」
ふう…。とため息をついた。
「じゃあその子供が・・・。」
ボソッと緑間がつぶやく。
あかりは緑間の言葉にうなづいた。
「ええ。それで、この外道科学者たちに間に生まれた子供が白銀琉香。」
あかりは皮肉交じりに笑った。
「そして、この子が事件の始まりでもあったの。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
−10年前 琉香3歳時—
「パパ〜ッ!ママーッ!早く早く!」
草原で琉香は駆け回る。
「ピクニックなんだし、ゆっくりしよう?」
「母さんの言うとおりだぞー!まだまだ時間はあるしなあ!」
父と母はニコニコしながら言った。
「…だって今日が終わったら2人ともお仕事に戻っちゃうもん…!」
琉香は動きを止めると、不服そうな顔でつぶやいた。
そんな琉香に2人は顔を見合わせた。
そして・・・。
「よーし!琉香!走ろうか!」
「ひゃあッ!」
琉香はひょいっと父に肩車をされていた。
「じゃあ競争ってわけで!お先に—!」
母はいたずらっ子のように笑い、タッと先に走り出した。
「行くぞー!」
「がんばれパパ〜!」
あははと琉香は笑った。
そして、3人は目的の丘へと走って行った。
パンドラの箱が開きかかる。