二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.20 )
日時: 2012/07/26 14:57
名前: 黎 (ID: N7iL3p2q)

「みんな!気合い入れてくよ!」
「おーーーーーーーーーーーーー!!」
 円陣の中心にいる吉美をメンバー全員に気合を入れる。
 ついに、試合がやってきた。




ーーーーーーーーーーーーーー
「もーかッ!」
「うわッ!な、なんだ?」
 整列するときに萌香は吉美に呼び止められた。
「なんか、顔こわばってるけど、いつも通りやりなよ。」
 吉美はボソッと萌香を心配するように耳元でささやいた。
「大丈夫だよ。萌香ちゃんはエースで7番なんだから。」
 ポンッと菜々は萌香の肩に手を置いた。
「・・・・うん。」
 心配そうな萌香に菜々は、
「…いざとなったら私が守るから安心して。萌香ちゃん。」
「ちょっとお〜。守るのはCの私でしょお〜!」
 吉美は菜々の頭を笑いながらぐりぐりねじる。
 2人なりの思いやりだろう。
「…ありがと!」
 萌香の顔はもう曇ってはいなかった。



 そして、相手チームと面を合わせる。
「礼!」
「よろしくお願いします!」
 ピッという審判の笛とともに、あいさつが響き渡る。
 みんなが持ち場につこうとすると・・・。
「あなたが…白銀萌香さん?」
 名前を呼ばれて、ふと、振り向く萌香。
 名前を呼んだのは奈波小のキャプテン、中村美羽。ポジションはPG。
 とてもラフプレーをするように思えないかわいらしい容姿だった。
 美羽はかわいらしい愛想笑いを浮かべると、
「いい試合しましょうねッ!」
 とだけ言うと、自分の持ち場に戻って行った。
「油断しちゃだめよ。」
 釘をさすように吉美が萌香に忠告する。
 萌香は黙って頷いた。



「それでは…!ティップオフ!」
 バッと審判がボールを宙に放り出す。
「はあッ!」
 先にボールを取ったのは吉美だった。
 ダムダムッと勢いよくドリブルして敵陣ゴールに迫る。
 奈波小のディフェンス陣が吉美を囲む。
「ッ!萌香ッ!」
 ビッと吉美から萌香にパスがきた。
 萌香葉すさまじいスピードで切り込んだ。
「ッ速いッ!止めてー!」
 奈波小メンバーは萌香を止める指示を出す…が、萌香のスピードにだれも追いつけなかった。
 ついに萌香はゴール前へ。
「やらせないッ!」
 奈波小のメンバーの1人は萌香を止めようとする。
 しかし。
「はあああッ!」
 ガシャアアン!!
 萌香はダンクを決め込んだ。
 一瞬、あたりがシーンと静まり返った。
「すっげえええええええええ!!小学生の女子がダンク決め込んだよ!!」
 わああああと辺りは騒がしくなった。
「萌香ちゃん。新技?初めて見たよ。すごい!」
 ほえええと菜々は感嘆の声を上げる。
「ごめんごめん。びっくりさせたかったからさ。」
 萌香はいたずらっ子ぽく笑う。
『第一クォーター終了です。』
 ブーとブザーが鳴った。




ーーー萌香サイドーーーーー
「奈波中の人達、ラフプレーまったく仕掛けてこなかったね。」
 菜々はチューとドリンクを飲む。
「いいえ、きっとこれからよ。気を抜かないでこのままいくわよッ!」
 吉美が声を張り上げた。
「おーーーーーーーーーー!」
 吉美に答えるようにみんなは声を張り上げた。






ーーーーーーー奈波中ベンチーーーーーーーーー
「ねえ—。美羽〜。第一クオーターなんもしなかったけどいいのお〜?」
「いいのよ。」
 1人のメンバーがだるそうに美羽に聞くと、美羽は髪の毛をいじりながら答えた。
「強豪校だもの。様子見として第3クオーターの後半までくそまじめにバスケをしてあげましょう?」
 そして、美羽は足を組んだ。
「けどお…。その時間が終わったらあ、あの人達に苦しみを味あわせてあげましょう?」
 美羽は妖しく微笑んだ。