二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.211 )
- 日時: 2012/09/09 11:06
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
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「…私は海東とたくさん話し合ったわ。けど、あの人が理解してくれるはずなかった。…だから萌香が巻き込まれないようあの人と離婚して、萌香を普通の幸せな子に育てようと、今日まで生きてきた。」
あかりの目にはうっすら涙がうかんでいる。
「萌香・・・そんなことが・・・。」
桃井はベッドのシーツを握った。
「…萌香ちん、このこと知ってるのかなー・・・。」
紫原がお菓子を食べる手を止めて言う。
「…おそらくもう海東が思い出話でもして教えているでしょうね。・・・それとも・・・。」
「あかりさん?」
急に黙るあかりを見つめる緑間。
「おい赤司。お前このこと知ってたんだろ?何で萌香に教えなかったんだよ?」
「それは私が頼んだの。…あの子がこのことを知ったらきっと自分が何のために生きてるかきっとわからなくなる。」
即答するあかりに青峰は口をつぐんでしまう。
「なんで萌香って名前にしたんスか?」
「「「「「は?」」」」」
あかりと赤司を除くキセキのメンバーは黄瀬の言葉に拍子抜けした。
「何言ってんのさ〜黄瀬ちん。今そういうことどうでもいいし〜。」
「そーよキーちゃんッ!」
「いや…だって今の話聞いてるかぎりだと、海東さん絶対萌香っちのこと眼中はいってないし・・・。ちゃんと名前付けたのが不思議で・・・。」
黄瀬は助けを求めるようにあかりを見る。
「・・・そういえば萌香の名前は琉香が『あたしが赤ちゃんにあったらつけるね!』って言って教えてくれなかったわ。萌香は赤ちゃんじゃなかったけど。結局名付けてくれたのは征十郎君ね。」
あかりが言い終わった瞬間キセキ達の視線が赤司に向けられる。
「…おい赤司。なんでこの名前にしたんだ?」
先程までは興味のかけらも感じさせなかったくせに、今では興味津々だ。
「…内緒だ。」
「もったいぶるのではないのだよ。」
少し不機嫌になった緑間が言った瞬間、カツンと、軽いものが落ちる音が聞こえた。
「あ、落ちてしまいました。」
黒子は静かにひろう。
「黒ちんなにそれ?パソコンのチップ?」
「…僕にもわかりません。黄瀬君と桃井さんを見つけたとき偶然ひろいましたから。」
「それ…!!」
あかりはカツカツと黒子に近寄り、チップを持っている手を取った。
「これは…海馬の記憶ソフト…!」
「な、なんスかそれ?」
科学者単語に戸惑う黄瀬。
「・・・これはおそらく琉香の細胞に含まれてる記憶を今の萌香の頭に植え込んで琉香としての人格を植え付けようと計算されたチップね・・・。」
「え!?…もし、それを植え付けられたら、萌香どうなるんですか!?」
「それは…「死ぬよ。」
あかりではない第三者の声によってみんなは静まり返った。
「萌香としての人格は死に、お前たちのことは忘れ、琉香としての一生を生きる羽目になる。…あのくそ野郎のやりそうなことだ。」
みんなは病室にドアを見る。
そこには黒に近い藍色の髪をロングにして、こっちをにらみつけるようにして立っている美人がドアに寄りかかるようにして立っていた。
「…どちら様ですか?」
「…我は白銀水晶。今、その話にでている愚妹の姉だ。」
「・・・すいしょう。」
あかりは水晶を見つめていた。