二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.218 )
- 日時: 2012/09/10 17:22
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
「…バカいばの奴、こんな回りくどいことしやがって・・・。」
水晶はあかりを含め、キセキ達を見渡すと、ツカツカとブーツの音を立てて近寄ってくる。
(な、何!?)
みんなの心の中はこの得体のしれない女に対する恐怖しかなかった。
なぜなら、左手には金属バットが握られていたからである。
水晶はバッとキセキ達に手を伸ばす。
(金属バットで殴られるのか・・・ッ!ぜってえ萌香の姉ちゃんじゃねえ…!)
キセキ達はキュッと目をつむる。
「ほら。」
ガサッという音と淡白な水晶の声にキセキ一同はそっと目を開ける。
「「「「「「へ…?」」」」」」
水晶が差し出したのはお土産のような箱だった。
「あ、開けていい…ですか…?」
桃井が恐る恐る聞く。
「…なんのためにそれをくれてやったんだ。ピンク髪。」
ピンク髪!?と若干ショックを受けながら包装紙を破いていく。
「これ・・・。」
黄瀬が水晶を見ると、水晶は照れ臭そうに、
「…こんなの慰謝料にもなりはしないが一応な。」
と、そっけなく言った。
(けど・・・。)
青峰がブフッと吹いた。
「似合わねえ…。金属バット持ってる女が似合わねえ…ッ!」
と、笑いながらつぶやいた。
「なんだとッ!?」
憤慨する水晶にみんなも、
「いやあ・・・だって・・・ねえ・・・。」
さすがの紫原も笑っている。
肝心の箱の中身は・・・。
『ひよこサブレ&ひよこ饅頭』
と、書かれていたお菓子だった。
「な、な、な・・・ッ!せっかくこの我が買ってきてやったというのにッ!?図々しいにもほどがある!この無礼者どもがあッ!!」
水晶は怒りと恥ずかしさで顔が真っ赤になっていた。
キセキ達全員が理解した。
白銀水晶はツンデレだ。
そして萌香の元祖だと。
「ふふ…。相変わらず言動に似合わず可愛いものが好きね水晶。」
「黙れっ!こんなもの適当に買ってきたに決まってるだろっ!!」
あかりに指をさし、怒る水晶に黒子は、
「いいえ。ありがとうございます水晶さん。とてもかわいらしいものだと思いますよ。」
と、丁寧にお辞儀をする黒子に照れたように胸を張った。
「ま、まあな!感謝するといい!」
「おい…。水晶の奴胸張るとすごいことに・・・。」
「最低!青峰君!」
「死ぬがいいのだよ。青峰。」
「ぐはあッ!!」
桃井にビンタと緑間のしんれつな言葉を食らった青峰。
「まったく…水晶は変わらないな。」
赤司は笑い疲れたように目じりにたまった涙をふく。
「せいじ。我は年上だ。水晶さんと呼ぶがいい!」
そんなことより…。と水晶はつぶやいた。
「我がここにきたのはしゃべくるわけではない。…お前たちに宣告しに来たのだ。たった1度しか言わないからちゃんと聞け。」
みんなは1瞬で真面目な顔になった。