二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.230 )
日時: 2012/09/12 17:36
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

「…そんなに大事な話〜?」
 紫原が水晶を見据える。
「無論、大事だ。…単刀直入にいう。」
「ちょっと待って水晶。ここはわたしが・・・。」
「くどい。どうせ話をこじつけて遠まわしに言うつもりだろうが。」
 と、水晶はあかりを一瞥する。
「もうお前たちはこのこと…。我ら白銀家のことに関してはこれ以上関わるな。」
 水晶は、例えるならプロサッカー選手がけがでもうサッカーはできませんよ、というようなフインキで宣告した。
「んなことできっかよ!?さつきも黄瀬も…。萌香も!海東なんチャラにひでえことされたのに!黙ってろってか?!」
「そうだ。お前たちはもう退場してもらう。」
 青峰の叫びに水晶は涼しい言葉をかけた。
「…僕も今回ばかりは下がっていられません。」
「俺もッス!借りは返させてもらうッスよ!」
 黒子に続くように黄瀬も身を乗り出した。
「…けが人風情が何をごちゃごちゃと・・・。」
 水晶ははあ、とため息をついた。そして、言った。
「…あのくそ野郎どもの居場所はおおよそ見当はついてる。だが、お前たちが言ってもなんの役に立つ?海馬に殺されるのが目に見えてるが。」
「…それは君も一緒だよ。水晶。」
「・・・せいじ。」
 水晶は赤司をぎろっと睨む。
「君が何を言おうとオレは萌香のところへ行く。今までのことと、これからのことと、おれの気持ちを伝えにね。」
「・・・死ぬぞ。」
「死なない。」
「いや、死ぬぞ。だから帰れ。」
「いやだ。」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」
 赤司と水晶はしばらく睨み合っていた。しかし。
 水晶はあきらめたように溜息をついた。
「…仕方ない。今回だけはこの死にたがりのために見逃してやる!思う存分死にさらせっ!」
 水晶は今にも泣きそうな顔で赤司を指差した。
「ああ。目一杯死にかけてくるさ。」
「「「「「「俺/私/僕もいく!/ッスよ/のだよ/し/わ/ます!!」」」」」」
 と、キセキ達は盛大に叫んだ。
「水晶が俺たちを守ればいいんだからな。…その金属バットで。」
 青峰の言葉にみんなは「さんせーい!」と声を上げた。
 そんなキセキ達に水晶は、1瞬ビクッとしたように体をうしろにむけると、
「…分かった!!勝手に死んで来い!7人ぐらい軽くこの私が守ってやる!!感謝しろ!…でも、なんでそこまで萌香のために必死になる?」
 水晶の質問にみんなは、
「「「「「「仲間だから。」」」」」」
 と、声をそろえて言った。
 その言葉に水晶はボロボロと泣き出した。
「なんで泣いてるんスか〜?もしかして感動しちゃってるとか!?」
「泣いてるわけなかろうッ!!この、金髪ピアスッ!!勘違いするな馬鹿者!!」
 水晶はごしごしと制服の袖で涙をふく。
 そして顔を赤くしながら、そっぽを向いた。
「・・・萌香を大切にしてありがとう…。感謝してる…。いいな…。萌香、こんなに大切にしてくれる友達がいて・・。」
 と、小さくつぶやいた。
「あ?なんつった?聞こえねー。もう一回。」
 無頓着な青峰の言葉に水晶は怒りで真っ赤に顔を染め、青峰に金属バットをつきつけた。
「うおッ!何しやがる!」
「…せいぜい足を引っ張るなよこのドあほう共って言ったのだ!まあ、すぐに死ぬだろうけどな!!」
「ンだとッ!?このおっぱ・・「青峰君死んでっ!」
 桃井にパアンッとビンタを食らった青峰。
「もう一回言ってやる。今度はちゃんと聞け。エロ男。」
 くるっと水晶はドアに顔を向けた。





「ありがとう。」




 その言葉にみんなは微笑んだ。