二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.253 )
日時: 2012/09/16 13:31
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

番外編

—不良少女と黄色い邂逅—
それは、1年前の物語。

「フン・・・。弱い癖にいちいちかまってきおって・・・。」
 我、白銀水晶は、今日も弱い人間と対峙していた。
 そういって、愛刀の金属バットを肩に置いた時だった。
「おいテメエ!モデルなんだから少しぐらいが金持ってんだろ!出せよ!」
 ・・・1瞬我に勝負を挑んだかと思ったぞ。
 だが、カツアゲであることには変わりはない。
 しかもモデルらしい。
 どうせちゃらちゃらしたやからだろう。
 放っておこう。そう思ったら・・・。
「いやッスよ。オレに金をアンタたちにあげる義務はないッスからね。」
 …なんだこのモデル、いやに強気だな。
「なめてんのかこのやろっ!!」
 ガラの悪い男はモデルの肩を思い切り押していた。
「きやすくさわんないでほしいッス。」
「ンだとこらっ!」
 不良が殴りかかる。
 仕方ない。人助けと行くか。
「そこまでだ。ここで帰れ。」
 と、我は柄の悪い男にバットを突き付けてやった。
「ま、まさか…覇王・・・ッ!」
「…だったらなんだ。ここで脳天かち割られたいか?」
 凄んでやったら男は逃げてった。
「・・・おい。」
「助かったッス〜〜〜ッ!ありがとうッ!」
「ぎゃあああああああああああああああーーーーーーーッ!」
 ここここ、こいつこの我を抱きしめおったあッ!
 さっきまでの剣呑な空気をどこへやったのだこの金髪は!
「あ・・・。あ・・・・。」
 この時の我はバカどもにきっとぼこぼこにされていたぐらい隙があっただろう。
「あ!ごめんッス!つい、いつもの癖で!」
「…たいしたけががなくてよかったな。」
 と、我はこういうしかなかった。
 なんという天邪鬼。もっとかける言葉があっただろうに。
「あッ!君。けがしてる!」
「あ?」
 金髪が言った通り、手首に少し、切り傷ができていた。
「…このくらいすぐに治る。いちいち心配するでないわ阿呆。」
 と、ぴいっとそっぽを向いてしまった。
 バカバカバカ我のバカ—ーーーーーーーーーーーーーッ!
「そういうわけにもいかないッス。君は女の子なんだから。」
 と、言って笑いながら金髪は我の手首に絆創膏をはった。
 しかも、ピンクの兎がら。
 か、かわいい・・・。
 どこで売ってるんだろ・・・。
「フン。余計なことしおって。…まあ一応ありがたく思ってやる。」
「君、面白いッスね〜!」
 と、金髪はゲラゲラ笑った。
 …失礼な奴だ。
「…君みたいな可愛い女の子はじめてだよ。」
「はッ!?」
 我はその時動けなかった。
「照れてるー!…じゃあ、急いでるからこれで!」
「あ、ああ・・・。」
 と、言って金髪は走り去って行った。
 …そういえば男の中で我を不良扱いしなかったのはあいつがはじめてだな・・・。
「…また、会えるかな。」
 ピンクの兎がらの絆創膏を見てそう思った。




それが、キセキの世代黄瀬涼太とは知らずに。