二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.282 )
日時: 2012/09/23 15:33
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

「…か。萌香…!」
「ん・・・・・・。」
 パチリ・・・。と萌香が目を開けるとそこは真っ白な空間、病室だった。
「よかった…!」
 桃井とあかりが萌香の顔を覗き込む。
「萌香ああああああああああああッ!死んじゃったかと思ったよおッ!!」
 桃井が泣きながら抱き着く。
「ほんとにもう・・・。」
 あかりも安心したように溜息をつく。
「!…母さん、さつき。私、あの後どうなったんだ?それに、父さんも…!」
 萌香のその言葉を聞いた2人は悲しそうに顔を見合わせた。
「海東は死体が見つからなかったけど…。あんなひどい火事じゃもう生きてはいないって・・・」
「それに、萌香、廃工場の裏口で倒れてたの。多分強く頭を打ち付けちゃったのよ。」
 あかりと桃井が口ぐちに言う。
「そ・・・っか。」
「萌香—ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっちッ!!」
 バタン!と、勢いよく黄瀬によって病室の扉が開かれた。
「病院では静かにしてください黄瀬君。」
「黄瀬ちんうるさすぎ〜。」
「まったくうるさい犬なのだよ。」
「うっせ!黄瀬!」
 黄瀬に続き、黒子、紫原、緑間、青峰が次々に入ってきた。
「ちょッ!少しぐらいいいじゃないッスかッ!萌香っちも無事だったんだし!」
 そう言って黄瀬はかごに入ったたくさんのフルーツセットを差し出した。
「おッ!黄瀬にしてはやるじゃねえか!さっそくいただき—。」
「俺も食べる〜。」
「青峰っちと紫っち!それは萌香っちのッス!」
「別に私は気にしてないぞ。みんなで食べようか。」
「うう…。萌香っちがそういうなら・・・。」
「ありがとうございます。」
「フン。食べてやらんこともないのだよ。」
 あはは…。と食べるみんなに萌香は微笑んだ。
「そういえば…征十郎は?」









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「みんな事情徴収はおわったみたいだな。」
 水晶はそういって、自動販売機の隣の椅子に座る赤司の隣に座った。
「・・・そうだな。」
「敬語を使え。阿呆。」
 そう言って水晶は買ったコーヒーを赤司の頬に押し付ける。
「せいじも事情徴収終わったのだろう?愛しの愚妹のところに行かんのか?」
 ズズ…。ともう一本のコーヒーを飲みながら水晶は言った。
「水晶こそ。行かなくていいのか?」
「愚妹が目を覚ます前にいったわ。」
「なんか…今まで隠してたからかどうやって萌香の病室はいればいいかわからないんだ。」
「貴様は萌香がクローンというところも含めてわが愚妹を好いたのではないのか?だったら悩む必要はない。とっととこの場から消え、病室にむかえ。」
 最初に俺が座ってたんだけどな…。という言葉を呑み込んで赤司は、
「…ありがとう水晶。いってくる。」
「フン。」
 赤司は走り去って行った。
「さて…。我も暇じゃないんでな。」
 そう言って水晶は飲み終えたコーヒー缶をゴミ箱に投げ捨てた。





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 ガラガラ・・・。
「おっ。来たぜ。萌香の王子様。」
「ヒューヒュー。」
「やめろよ!大輝。敦。」
「いいじゃない今日ぐらいッ!」
「ええ。たのしそうですよ。」
「フン。俺の知ったことではない。」
「もうさつき、テツヤ、真太郎まで・・・。」
「人気者ね。萌香。」
「うう・・。はずか死ぬ・・・。」
 そんな萌香にかまわず、キセキ達は騒ぎ立てている。
 そして、赤司はベッドにいる萌香に近寄り、手を取った。
「とりあえず…お帰り。萌香。」
赤司はそういって優しく微笑んだ。
「・・・ただいま。」
 萌香も満面の笑みで笑う。
「「「「「「「ヒューヒュー!!」」」」」」」
 そんないいムードの2人にみんなはもっと騒ぎ立てた。
 そしていつも通り、萌香は赤面した。
 そんな萌香に赤司は萌香の頬にキスをしたため、萌香はもっと赤面したのであった。