二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.301 )
日時: 2012/09/28 20:25
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

「おおーッ!今日の青峰すごいぞ!1人だけぶっちぎってる!!」
 わーわーと総合体育館内に歓声の声が響き渡る。
 今は、試合中なのだ。
 観客が言っていた通り、今日の青峰はほかのメンバーよりも点を量産していた。
「すごい!見て萌香!青峰君すごいよ!」
「あ・あ・・・・。」
 確かにいつもと動きは格段にちがう。
 だが、萌香には何か引っかかるところがあった。
(なんか・・・時間が過ぎていくごとに大輝の顔がさびしそうになってく…?)
 突然、萌香はそう思った。だが、気のせいかもしれない。
 そして、ダブルスコアという莫大な成績を残して、帝光中は勝利した。





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「いやー!すごいッスよ青峰っち!」
 帰り道、黄瀬、萌香、緑間で一緒に帰って行った。
 黒子と青峰は別ルート、赤司と紫原は「先に帰ってて」といい、桃井は「お母さんに買い物頼まれちゃって」といい、このメンバーに。
「きっとバスケ楽しいッスよ!」
 黄瀬は躍り出るように萌香と緑間の前に出た。
「…そうではない気がするのだよ。」
「…実は私もだ・・・。」
「ええっ!?なんでッスか!?」
 不満そうな顔をする黄瀬に緑間はため息をつくと、
「…今のあいつは強すぎる。…あいつが今、望んでいるのは自分と対等に相手できるライバルだ。」
 萌香は何かを察したのかうつむいていた。
「…みんな、変わらないよな。」
 なぜか、この言葉がポツリ、と萌香の口から転がり出た。
「…変わるも何もこのままなのだよ。」
「そうッスよ!」
 そっけなく言う緑間、屈託のない笑みで言う黄瀬に萌香も、
「・・・ああ。」
 と、ほほ笑んだ。









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 キュッ…!キュ・・・ッ!ダムッ!
 バッシュと、ボールの音が体育館内に響き渡る。
 次の日の放課後になった。
「ずいぶんと遅くなったな萌香。」
「ごめん征十郎。委員会長引いちゃって。…あれ?大輝は?」
 萌香はキョロキョロと辺りを見渡す。
「んー?確か峰ちん今日具合悪いから休むっていってたー。」
「あッ!やっぱりッスか!さっき会った時もそういってたんスよ!」
 黄瀬は思い出したように紫原に指をさす。
「もうほっときなよ!萌香!あんなガングロクロスケのことなんて!」
 プリプリと桃井はベンチに座りながら怒っていた。
 どうやら犬も食わぬ喧嘩をしたらしい。
 しかし萌香は、
「え…・・・・…………?」
 顔が青ざめていった。
 萌香にはどうしてもあのバスケバカが部活を休むだなんて考えられなかった。






 何かが、壊れていく気がした。