二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.32 )
- 日時: 2012/07/31 05:22
- 名前: 黎 (ID: lBubOowT)
「ナイス!萌香!」
今は部活ボシュート練習の最中だ。
吉美は萌香の肩をがっちりホールドしながらにやにや笑った。
「昨日あんなにしょげていたのに、今日は絶好調ですなー。萌香サン。何があったのかな〜?」
「え………。」
ああ。菜々に慰めてもらった…。って!うおいっ!ちょっと待てい!確か…あの時…自分が泣いていただなんて口が裂けても言えねえ!となぜか瞬時に頭がここまでの言葉を作り上げた。
「だ、気持ちを入れ替えただけだ、吉美。」
ごまかすように萌香は苦笑する。
「・・・・へえ・・。」
吉美はそういったきり、それ以上何も追求してこなかった。
「・・・・・・・・・・よね。」
だが。
萌香の気持ちがいくら変わろうと、あの菜々の事件以降、吉美以外のチームメイトが萌香に対する風当たりは変わることはなかった。
ちゃんと話せるのは菜々と吉美ぐらいだった。
「……。」
さっき聞こえてきた萌香の陰口らしき声。
吉美は困ったように萌香を見ると萌香はもう昨日のような暗い顔はしていなかった。
さっきの陰口は萌香にも聞こえているはずなのに。
(…もう、このまま萌香を苦しませないでください…。神様・・・。)
と吉美は心の底から願った。
ちらっと、時計を見ると、もう少しで7時になる、という時間だった。
「やっばっ!もうこんな時間!みんなー!今日はここまで!解散!」
吉美はパンパンと手をたたいた。
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「まさか女バスもこんな時間までやるとは思わなかったな。」
「はは・・・。」
萌香は帰り道赤司と遭遇してしまったため、一緒に変える羽目(?)になった。
「男バスっていつもこんな時間なのか?」
萌香は周りをきょろきょろしながら赤司に問う。
「まあ、たいていはな。」
と、至極当然のように答えられる。
「あのさ……。」
と、言った瞬間、萌香は昨日のキスシーンをぼっと思い出してしまった。カアッと萌香の顔が赤くなっていった。
「なんだ?」
赤司は萌香が思っていることをわかっているのか、わかっていないのか、よくわからないいつもの涼しい顔で萌香をみる。
「いや・・・やっぱ・・なんでもない・・・。」
口調とは裏腹に手は必死にブンブン振っている萌香に赤司は確信犯らしく笑うと、
「…萌香は純情すぎだ。」
「征ちゃんが不純情なだけだッ!」
もはや、夫婦漫才みたいな話に2人は笑った。
しかし。そんな幸せな時間は続かない。
その時、プルルル…。と萌香の携帯電話がなった。
携帯の画面には沢村吉美、と記されていた。
「ごめん。征ちゃん。ちょっとでるね。」
ピッと萌香はなっている携帯にでた。
「どうしたんだ?吉美?」
『大変なの!!』
間髪入れずに叫ぶ吉美を疑問に思う萌香。
そのまま続けて吉美は涙声で叫ぶ。
『私今、菜々の病院にいるんだけど・・・、菜々の状態が突然発作起こして…今重体なの!!』
「萌香…!?」
カツ・・ン!と携帯を落とす萌香を赤司は驚いたように見つめる。
幸せ終了の時間は突然やってくる。