二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.332 )
- 日時: 2012/10/03 19:06
- 名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)
「…何となく、萌香さんが泣いている理由はわかります。…僕の推測で正しいですか?」
「・・・ああ。」
黒子に渡されたハンカチで涙をふく萌香。黒子はそんな萌香の隣に座った。
「…実は僕も青峰君に俺に勝てる奴はだれもいないって言われたんです。」
「…テツヤもか!?」
萌香はぎょっとした様子で黒子を見る。
「昨日ですけどね。僕は言ったんです。青峰君より強い人は現れますよ・・・って。」
「そうか・・・。」
「けど、僕の言ったことは正しくなかったのかもしれません。」
黒子は少し悲しそうに目を伏せる。
「…私も同じこと言いたかった。けど、しょせん私はみんなに迷惑をかけてばっかりのだめなマネージャー・・・。」
萌香は今度は泣かないように手から血が出そうなほど手を握った。
「そんなことないですよ萌香さん。あなたのおかげでみんなはずっと勝ってきてるんですから。」
「私何にも・・・。」
「そんなことないですよ。だって・・・。」
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2年12月の試合
「黄瀬!お前だけだぞ!ノルマの20点取ってねえの!」
「すんませーん!青峰っち!」
「じゃあ、20点取り切ったら萌香ちんとデートできるって考えたら—?」
「マジっすか?!」
「おい。紫原何を言っている。萌香は俺のだ。」
「よっしゃあーー!!やるッスよ!萌香っちとのデート!!」
「いいじゃん赤ちん。けちけちしない。」
「萌香が不憫すぎるのだよ。」
「ですね。」
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「・・・ということがあったんですよ。」
「…完璧私商品扱いだな・・・。」
萌香はあきれたように溜息をついた。
「…萌香さんはやっぱり笑ってたほうがいいですよ。」
にっこり笑う黒子に萌香は自分の頬をなぞった。
「あ・・・れ?」
いくらハンカチでふいてもボロボロあふれ出てくる何だがいつのまにか止まり、気づけば笑っていた。
「…きっと彼らも萌香さんの思いをわかってくれますよ。」
「・・・うん。」
黒子は立ち上がった。
「…じゃあ僕はここで。」
「ああ。ありがとう!このハンカチ洗って返すよ!」
「いいえ。もうそれは萌香さんにあげます。」
「でも・・。」
「いいんです。うけとってください。」
萌香にハンカチを押し付け、歩き出そうとする黒子に萌香はこういった。
「…私、今度はみんなをこんな思いから助けるから!」
「はい。…後は任せますね。」
「テツヤ…?」
消えそうに微笑む黒子に萌香は違和感を覚えるしかなかった。
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そして、次の日になった。
「萌香ッ!萌香あッ!」
桃井が鬼気迫るフインキで萌香のところへ近寄る。
「どうしたんださつき?」
「これ見て…!」
桃井は封筒のようなものを萌香に差し出した。
「これは…!」
茶色い封筒に書かれていたのは退部届。
そして、書いた本人は・・・。
「テツヤ…!?」
黒子、だった。