二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.337 )
日時: 2012/10/04 18:42
名前: 黎 (ID: 6Bgu9cRk)

 テツヤがやめて、5カ月たった。
 ある事件が起こったことによって。
 それに加えて、キセキ達の心境の変化。
 それをすべて止められなかったのだろう。私よりテツヤのほうがずっと近くにいたのだから、その分ショックは大きいはずだ。
 そして私も12月の冬のように、心が冷え切っていた。
 ごめん。テツヤ。もう、私だめみたいだ。






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「…真太郎。まだ、帰らないのか?」
「余計なお世話だ。ほっといてほしいのだよ。」
「そうだね。」
 部活が終わり、いまだシュート練習をしている緑間に声をかけた。
 冷え切った会話。自分でもいやなはずなのに、どうしてこの部活をやめないんだろう。
 萌香は無表情で体育館を去った。
「萌香!一緒に帰ろう!」
 桃井が笑顔で萌香に近寄る。
「さつき。」
 さつきはみんなが今どんなことになっているのか知らないのか。それとも知っていてあえて肯定してるのか。
「…ごめん。今日は1人で帰りたいんだ・・・。」
「…そう。また明日ね!」
 桃井はタッと走って行った。
「ほんと、何してんだか。」
 萌香はハラハラ降ってくる雪を顔で受け止める。
「萌香。」
 聞きなれた声に萌香は敵でも見るような目で相手を見た。
「…征十郎。」
「いつからそう睨むようになったんだか。…それより、お前はどこに行くんだ?高校。」
「いう必要もない。」
 プイっと萌香は前を向きなおした。
「萌香がどこの高校に行くにせよ。…萌香オレと一緒に洛山に来い。」
「!?」
 赤司の言葉に萌香は驚いたように振り向いた。
「…今のお前とは絶対にそんな胸糞悪い高校行くもんか・・・ッ!」
 ギリリと赤司をにらみつけながら萌香は言った。
「そうか。残念だ。」
 赤司は何か言いたそうにしていたが、スッと萌香の横を通り過ぎた。
「…大っ嫌い。」
 ボソリと萌香はつぶやいた。
「みんななんか大っ嫌いだっ!!!」
 萌香は空に叫んだ。
 その声はだれにも通らない。
 涼太も、敦も大輝も真太郎もさつきも…テツヤも征十郎も大っ嫌い。
 けど、こんなの私の自己中にすぎない。
 萌香は唇をかみすぎて血が出た。




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「萌香あ!ちゃんと高校のパンフレット見て高校決めてね!」
 あかりの言葉に萌香は力なく「はーい」と返事した。
「高校か…。絶対洛山にはいかないぞ。」
 ぱらぱらとめくっている途中、興味深いものがあった。
「ここ…。みんなすごく楽しそう・・・。」
 萌香が眺めていたのは、誠凛高校バスケ部の写真。
 みんな、笑っていた。
「ここならみんな勝つことがすべて、だなんて言わないのかな・・・。」
 見た目だけなら。
 萌香はそう思った。
 けど、もし、見た目通りだったら、私はこれにすがりたい。
「・・・よし、私、誠凛高校に行く!」
 萌香はそういってリビングにいる母のところに走って行った。