二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.42 )
- 日時: 2012/08/05 13:53
- 名前: 黎 (ID: jX/c7tjl)
「そうだったんだ・・・。萌香にそんなことが・・・。」
桃井はしゅんとうなだれた。
そんな桃井に萌香は、
「さつきが落ち込むところじゃないよ。全部私のせいなんだ。…こんな中途半端な気持ちでマネージャーやるだなんて迷惑だろ?だから、断りに言ってくるよ。」
萌香はふっと笑って体育館へ歩き出した。
続いて桃井もそのあとに続く。
「萌香・・・。」
桃井はふと、見てしまった。萌香のさびしげな顔に。そして、深い悲しみを。
「…それでもやっぱり私は萌香にマネージャーやってほしい!」
桃井は決意したようにつぶやくと、萌香のところへ駈け出して行った。
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「…なんだよ。まったくあいつ悪くねえじゃねえかよ!もとはといえば、その中村美羽ってやつが悪いんだろ?」
青峰は声を荒げる。
「…だとしても結果的に佐々木を傷つけたのは自分だと、萌香は思い込んでいる。」
赤司が冷静に諭す。
「!…帰ってきたのだよ。」
緑間は萌香たちの気配に気づいた。
さっき赤司がしゃべったことは赤司によって口止めされていた。
「・・私みたいな中途半端な奴は足手まといになるだけだ。だから、マネージャーにはなれない。この話は辞退するよ。」
ペコリと萌香は律儀に頭を下げた。
「で・・でも・・バスケ好きなんスよね!?だったら入ればいいと思うッス!」
ねッ!?と黄瀬は萌香に呼びかける。
「…もう私バスケは…ッ・・。嫌いだ・・・。」
悲しそうに萌香は下を向いた。
すると黒子は萌香の近くに寄ってきて、こう言い放った。
「それはうそです。」
あまりにも黒子が堂々していたので、みんなはびっくりしていた。
「くくく黒子っち!?」
「むちゃくちゃなのだよ・・・。」
「テツ〜・・・。」
「て、テツ君!?」
みんなそれぞれの感想を言う中黒子はじっと萌香を見つめていた。
「あんな悲しそうに物を嫌いだという人はいません。」
「っ・・・。」
萌香は黒子から目をそむけた。
「あ〜。そーだ・・・。」
今まで黙っていた紫原がお菓子を食べる手を止める。
「だったらさぁ〜。バスケ嫌いを克服するためにマネージャーになればぁ〜?…俺もあんまバスケすきじゃないし。」
紫原の提案に青峰は、
「それだーーーーー!ナイス!紫原!」
「へ?」
青峰は親指をグッと紫原に立てると紫原もグッと親指を立てた。
全く話の意図が読めない萌香は疑問の声を上げる。
「わかったのだよ。」
緑間は自分で納得する。
「そういうことッスよね!」
「ムッ君すごい!」
「まあ・・萌香さんしだいですが・・・。」
黄瀬、桃井、黒子もわかっているようだ。
萌香の肩にポンと赤司が手を置くと、萌香に顔を近づけてこういった。
「1週間お試しとしてマネージャーをやれ。…まあ、1週間にはさせるつもりはないがな。」
最後のほうをボソリと赤司に言われると萌香の血の気が一気に引いた。
「う、うそだろ・・・・・・・・・・・。」
波乱の1週間がはじまる。