二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.5 )
日時: 2012/07/08 13:31
名前: 黎 (ID: N7iL3p2q)

「『ええええ!!』じゃなくて、マネージャー。」
 赤司は至極いつもの涼しい顔で答える。
 そして、手に持っていた紙を萌香の机に置くと赤司はいつの間にか持っていたシャーペンを萌香に握らせ、シャアッと紙に円を書かせた。
「・・・・え。」
 赤司が萌香に書かせたのは、マネージャー届だった。
「征・・じゃなくて、赤司、私マネージャーやるだなんていってないぞ。」
「たった今お前サインしたじゃないか。…じゃあ、放課後に体育館な。」
「やめてくれよ!!」
 いつもの柔らかい萌香の感じから一変、ピリピリしたものになった。
「萌香……?」
 桃井はそんな萌香を心配そうに見つめる。
「私がっ…どれだけっ…つらい目にあったか知ってるくせにっ・・!」
「あっあのね…萌香…!」
 桃井が場を変えようとすると・・・、
「じゃあ、おれはもう行く。…もう一度いうが体育館に放課後来い。」
「…行かない。」
 立場は深刻のまま赤司はクラスへ戻って行った。
「萌・・・。」
 キーンコーンカーンコーン。チャイムがなった。桃井はそれから萌香に話しかけることなく、自分の席の戻って行った。





 そして、屋上で昼休み。
「はあ〜。私が昨日あんなこと言わなかったらな〜。」
 桃井はチュ〜、とジュースを飲みながらつぶやく。
「あんなことって…、そーいやお前昨日白銀…何とかがマネージャーになればいいのになって話してたな。それか?」
 色黒の少年、青峰大輝がひょいっと桃井の卵焼きを摘み上げて食べた。
「何とかじゃなくて萌香よ!それと勝手に私の卵焼きとらないでよ!青峰君!」
 プウッと桃井は頬を膨らませながら青峰をにらむ。
「でも本人はやりたくないって言ってるんスよね?」
 容姿端麗な顔の持ち主、黄瀬涼太が桃井に問う。
「うん。そうなんだ〜。なんか…彼女、バスケのこととなるといつも影が差しちゃってて・・・。」
 ん〜。と桃井がうなる。
「なんか・・いやなことでもあったんでしょうか…?」
「わッ!」
「く、黒子っち!?」
「て、テツ君いつの間に?!」
 3人をびっくりさせたのは黒子テツヤ。
「さっき屋上へ行ったらみなさんがいたので来てみたんです。」
 桃井が自分の座っているスペースを開けてあげると、黒子はありがとうございます、と言ってチョコンと座り込んだ。
「でも、テツ君の言うことにも一理あると思う。」
「そーいやさ・・・。」
 青峰が思いついたように頭をかいた。
「どうしたんスか?青峰っち。」
「ずっと気になることがあってよ・・・。」
「なんですか?」
「あのさ、赤司と萌香ってやつどんな関係なんだ?」
「へ?」
 黄瀬が怪訝な声を出す。
「なんか気づくたびにあの2人はなしてやがんだ。」
「もしかして・・・。」
 桃井がゴクリと生唾を飲む。
「もしかしてかもッス・・・。」
 黄瀬も桃井と同様。
「・・・・・・・・。」
 黒子はジュースを飲みながら何も言わない。
 この中で1人、状況を呑み込めていない青峰は、
「・・・なんだよ。」
「もしかしてあの2人って!!」
 がばっと桃井は青峰に身を乗り出し手思わず大声を上げる。
「ちょ!桃っち!」
 黄瀬がとめるが桃井は止まらない。
「恋人かもしれないわ!!!」
 桃井の叫びが屋上をこだました。