二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.55 )
- 日時: 2012/08/13 10:44
- 名前: 黎 (ID: jX/c7tjl)
そして、マネージャー期限も最終日。
それに伴って桃井のテンションは下がっていた。
「はあ〜…。ついに萌香と一緒にマネージャー出来るのも今日が最後かあ・・・。」
「・・・ごめんな。さつき。」
萌香は申し訳なさそうに微笑した。
「萌香がそこまで言うなら仕方ないよー。…でもいいの?」
「う・・ん。私はバスケには係わっちゃいけないから。」
その会話を盗み聞きしていたキセキ達はかなりショックを受けていた。
「くッ!また桃井の殺人ドリンクを飲めというのか!?」
緑間はわなわなと肩を震わせた。
「それはひどいと思いますよ。緑間君。・・・でもやっぱりさみしいですね・・・。」
「俺も緑間に同感。」
青峰はいつになく真剣な顔で腕を組む。
「萌香ちんとお菓子食べられる時間少なくなるなあー・・・。」
ぼんやりとお菓子を食べる紫原。
「そんなのいやッス!絶対いやッス!」
いつになく駄々をこねる黄瀬をみんなで落ち着かせた。
「萌香さんって意外に頑固ですよね。」
「それ、お前が言えることじゃねえだろ。」
青峰はびしっと黒子の頭にチョップする。
「でも、萌香はちゃんと融通きくわよ?」
桃井は黒子の言葉に付け加える。
「そうだっ!」
黄瀬は何か思いついたのか、ポン、と手を合わせた。
「何何?きーちゃん。」
「ふっふっふ…。オレは桃っちの言葉できがついたんス。融通が利くってことは・・・。」
「俺たちがうまく言葉の誘導をすれば、萌香はマネージャーになるかもしれないのだよ。」
と、緑間が付け加えた。
「でもさ〜。それって国語力必要だよね。黄瀬ちんはバカだし、みどちんも基本バカだし。どうすんの〜?」
紫原のもっともな指摘に緑間と黄瀬は、バカじゃないのだよ!と、ひどいッス!という声が聞こえたが、あえてみんなは無視をした。
「となると〜・・・。」
みんなの顔が黒子に向けられた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そして、部活帰りになった。
「萌香さん。ちょっといいですか?」
「テツヤ?なんだ?」
2人は体育館にまだあったベンチに座った。
「…本当にマネージャーやってほしかったです。」
「そんなこと言わないでくれ。テツヤ。後味悪いじゃないか・・・。」
ハハッと軽く萌香は笑った。
「…萌香さんは佐々木さんのことまだ引きずっているんですか?」
「…!誰から聞いたんだ?」
黒子の唐突な言葉に萌香は少し目を見開いた。
「…赤司君です。」
「……征十郎言っちゃったんだ・・・。」
フウと萌香はため息をついた。
「半分はそれだな。でも、もう半分は…、私がいることでだれかを傷つけてしまうんじゃないかってどうしても思ってしまうんだよ・・・。だから・・・。」
「ちが・・・「「「「「ちがう/のだよ/よ/し/ッス!!」」」」」
黒子が言い終わる前に滑り込むようにして、緑間、桃井、紫原、黄瀬、青峰が現れた。
「…皆さんいたんですか?」
「やっぱ気になっちゃって・・・。」
えへへと桃井はきまり悪そうに笑った。
緑間はずかずかともかのところにやってきて、
「萌香。お前1人の力でおれ等が傷つくわけないだろう。」
と宣言するように言い切った。
「そうだよ!私たち頑丈なんだから!」
と桃井はガッツポーズをした。
「でも萌香っちになら傷つけられても・・・。」
「黄瀬ッ!きめんだよ!」
「まったくだしー。黄瀬ちんドМ?きも〜い。」
たとえっすよ!と黄瀬は泣いていた。
「…いいのか?人の好きな物奪った私をマネージャーにして。」
萌香はうつむいた。
「…過去のことなんざどうでもいいんだよ。オレ達はお前にマネージャーになってほしいからこうやってんだよ。」
と、青峰が言いきった。
「………いいの?」
萌香は涙目になりながら、みんなを見た。」
「「「「「当たり前/だ/なのだよ/よ/だし〜/です!」」」」」
みんなは声をそろえて言った。
そんな笑顔たっぷりのみんなに萌香は、
「……ありがとう……!」
と、桃井に泣いて抱き着いた。
「…お前って案外泣き虫なんだな〜。ほらよ。ティッシュ。」
「そうだね。」
と萌香は涙を拭きながら答えた。
「もうっ!青峰君はデリカシーなさすぎ!萌香がやさしいからよかったもののッ!」
「まったくです。」
黒子はあきれ、桃井は腰に手を当てておこった。
「萌香ちん泣かないで〜。」
「萌香っち!おれを抱きしめてもいいっすよ!」
「ふざけるな黄瀬!そんなことしていいはずがないだろう!!」
「そうだな。緑間の言うとおりだ。…黄瀬。」
冷気がこもった赤司の声にみんなは震えた。
しかし。
「・・・ま。こんかいはめでたいことがあったから特別に許してやる。感謝しろよ。黄瀬。」
フッと赤司は笑った。
「よ、よかったッス〜・・・。」
はあーと黄瀬は安堵の息をついた。
「改めてマネージャーよろしくね!萌香!」
と桃井は笑顔で言う。
「…ああ!」
萌香も笑顔だった。
「あ。そーいえばー・・・。」
と、紫原が何か思い出したようにつぶやいた。
「そーいや、明日から夏休みだ・・・。」
白銀萌香、本日付でマネージャーになりました。