二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.68 )
- 日時: 2012/08/17 17:15
- 名前: 黎 (ID: jX/c7tjl)
「綿あめ・・・うまし・・・。」
「綿あめ口についてますよ紫原君。」
黒子は紫原の口元についている綿あめをティッシュでふきとった。
「敦〜。これでいいのか?」
「わーい。ありがと〜萌香ちん。」
「紫っち綿あめ2個も食うんスか!?」
萌香が買ってきたのは白い綿あめ。紫原が買ったのはピンクの綿あめだった。
「種類が違うから萌香ちんと協力してもらったんだ〜。」
「どちらにしろ味は同じだと思うのだよ。」
「今回ばかりはその意見に同意だぜ。緑間。」
緑間と青峰はドン引きで紫原を見る。
「テツく〜ん!綿あめ一緒に食べよ!?」
「ありがとうございます。桃井さん。」
「じゃあはんぶんこね!」
桃井は持っていた綿あめを半分に分けた。
「そうか!さつきたちのやりかたいいな!」
萌香は綿あめを半分に分けると、紫原に差し出した。
「はい。敦。」
「ありがとー。」
紫原は次の瞬間、萌香の腕を引き寄せて綿あめを持っていた手ごとペロリとなめた。
「ななななななにをしているのだよッ!!」
緑間のめがねがピシッとひびが入った。
「やるなー。紫原。」
「キャーーーー!萌香!」
冷静にたこ焼きを食べる青峰と嬉しそうに叫ぶ桃井。
「おめでとうございます。」
「俺は認めないッス!」
静かに祝福する黒子と全力否定する黄瀬。
そんなみんなに萌香の顔は真っ赤になっていた。
「からかうのはやめてくれ!もう敦に綿あめやらないからな!」
「えー。勘弁してよお〜萌香ちんー。」
萌香は真っ赤になりながらぷいっとそっぽを向いて、綿あめを少しちぎり、たべようとしたら・・・。
パクッ。
「へ?」
萌香は素っ頓狂な声を上げた。なぜなら、赤司が萌香の指に持っていた綿あめを食べて、指を少しなめたからである。
「せ、征十郎…。何を・・・。」
焦りながら問う萌香に赤司は、
「消毒。」
と、冷静に答えた。
「だ、だからって・・。」
パアーーンッ!
萌香の言葉の途中で花火の音が響き渡る。
「あッ!花火始まったんだ!みんな早く行こう!」
「おいさつき!」
桃井を筆頭にキセキ達は花火会場へと急ぐ。
「やきそばたべたかった・・・。」
「また来年食べれますよ。」
「紫原。お前はその食い気を少し抑えたほうがいいのだよ。」
「志村けん人形取ったんスね・・・。」
緑間の持っているラッキーアイテムに突っ込む黄瀬。
「…萌香。行くぞ。」
「ああ。ってひゃあ!」
萌香は赤司にお姫様抱っこされてしまった。
「ちょ!征十郎!」
「しっかりつかまっとけよ。」
そのまま萌香は運ばれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「わあーきれーい・・・。」
桃井が感嘆の声をあげる。
「そうだな。」
萌香も桃井に便乗する。
「この花火はおよそ7000発打ち上げられるのだよ。」
「今その理屈いらないッス・・・。」
花火の解説をする緑間に黄瀬はあきれていた。
「ピンクのせんべいみたーい・・・。」
「どんなせんべいだよ。それ。」
変なことを言い出す紫原に青峰は突っ込んだ。
赤司は萌香に近寄り、自分の胸に引き寄せた。
「ッ!?征十郎…?」
隣にいる桃井は花火に夢中で2人のことには気づいていなかった。
赤司は萌香に微笑みながら耳元で優しくつぶやいた。
「…またこうやって花火見れるといいな。」
「・・・ああ。」
萌香も微笑んだ。
こうして静かに祭りは終わっていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいまー。」
萌香はガチャリと家のドアを開けた。
みんなとは現地で別れていた。
「・・あッ!今帰ってきたから変わるわね!」
萌香の母は電話をしていたらしい。
「萌香あ!電話よ!」
どうやら萌香宛てらしい。
「誰からー?」
「ふっふっふー。萌香の大好きないとこの・・・。」
萌香の母は意地悪そうに笑った。
「もしかして・・・。」
「わかった?」
萌香の母は萌香に受話器を差し出した。
「辰也兄さん!?」
萌香はうれしそうに問う。
「あたり!」
萌香はバッと受話器を取ると、母に念を押すように、
「…大好きって言っても、恋愛的な意味じゃないんだからな。」
とくぎを刺すように言った。
「わかってるから。早く話しなさい!」
萌香の母はからかうように笑うと、電話に出るよう急がせた。