二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.69 )
日時: 2012/08/18 11:37
名前: 黎 (ID: jX/c7tjl)

「た、辰也兄さん…?」
『うん。久しぶりだね萌香。』
 電話越しに聞こえるいとこの声を聴いて萌香はぱあっと笑った。
「ほんとだよ!今まで電話もメールもくれなかったからな!」
 萌香はわざと拗ねたように言う。
『はは。ごめんごめん。ここんとこ忙しくてさ…。』
 氷室は笑いながらきまり悪そうに誤った。
「あっ。そうか。辰也兄さん今年受験生かあ!」
 萌香は納得したようにうなづいた。
『ん〜。まあね。でも…。』
「何?」
『萌香も高校生になればわかるよ。』
「えーッ!今教えてくれよ!」
 萌香は頬を膨らませた。
「…そういえば前大我とはどう?違う中学行ったって聞いたから。」
『…会ってないな。』
 電話越しとはいえ、氷室のフインキが凍ったことが感じられた。
「そ、そうか・・・。」
 萌香は一瞬で何かあったことを感じ取った。
(後で大我にメールしてみよ・・・。)
『それより萌香。バスケ…できるようになったか?』
 さっきのフインキとは一変、いつもの穏やかな氷室に戻っていた。
「ううん。まだできないんだ…。でも、私が通ってる中学校でバスケ部のマネージャーやらせてもらってる。」
『そうか。道理で明るくなったと思ったよ。…前までは今にも死んでそうな感じだったから。』
「もう・・・しつれいだなあ・・・。」
 萌香は笑いながら話す。
「辰也兄さん。」
『なんだい?』
「…私、いつか絶対またバスケできるようになるから!その時になったらまた3人でバスケしよう!」
『…そうだな。』
 氷室はどこかうかない感じで答えた。
「じゃあ、また。」
『ああ。』
 プツリ、と電話が切れた。
 萌香はポケットからケータイを取り出すと、ぴぴっと火神にメールをした。
 もちろん内容は「辰也兄さんと何かあったのか」だ。あの仲が良かった2人がこんな険悪なフインキになるだなんて萌香には考えられない話であった。
「なんで…?」
 ぶぶーッ!と、メールが送信されてきた。
 内容は、
『なにもねえよ。』
 の1文字だった。
「おかしいよ…。こんなの…!」
 萌香は階段に座り込んだ。
「…私が勝手にバスケ部やめたときも吉美こんな気持ちだったのかな…?」
 萌香は自虐するように笑った。
「そういえば明日部活だね・・・。」
 フラフラした足取りで萌香は部屋に戻って行った。








—ーー同時刻、病院ーーーー
「退院おめでとう菜々ちゃん。」
「ありがとうございます先生。」
「退院したら何をするんだい?」
「…まず、会いたい人がいるんです。」
「へえ…。その子の名前は?」
「白銀萌香ちゃんです。きっとバスケやってると思いますから!」
 少女はアドげない笑みを浮かべた。





運命が、動き出す。