二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: 黒子のバスケ ー白銀の女神ー ( No.73 )
- 日時: 2012/08/19 13:28
- 名前: 黎 (ID: jX/c7tjl)
「これで部活終了だ!解散!」
3年生が引退したため、新キャプテンとなった赤司の声が体育館に響く。
そしてみんなが片づけていると・・・。
「て、テツ君!」
「なんですか?桃井さん。」
桃井は意を決したように言った。
「きょ、今日の午後、どっか遊びに行かない?!」
「あ、はい。」
あっさり承諾する黒子に黄瀬は振り向いた。
「この光景どっかで見たことあるッス!」
「黄瀬え!早く片付けろ!」
「はいっス!」
青峰の怒号がとんだ。
「でも私たちだけじゃあ、恥ずかしいし…あッ!そうだ!萌香の誘おう!」
「「「「「なあにいーーーーーーーーーーー!!!」」」」」
桃井の発言にキセキ達は振り向いた。
萌香に三角関係バトルを桃井はさせる気なのか。
(せっかくだから萌香と赤司君にデートさせちゃおっと!ダブルデートになってあまりはずかしくないし・・・。)
桃井はスコアボードを片付けている萌香を大声で呼んだ。
「萌香—ーーーッ!!」
「なんだ?さつき?」
萌香は急いで片づけると駆け足で桃井に近寄った。
「あのね!私とテツ君で午後遊びに行くんだけど、萌香も行かない?」
「え?そ、それはでー・・」
萌香は顔を赤くしてもじもじし始めた。
しかし、桃井はそれをあえて無視して、
「遊びに行こう!ねッ!?…後、赤司君も誘ってね!絶対だよ!?」
「ちょ・・・さつき!なんで征十郎も…!」
「じゃあ午後1時に駅前広場の噴水前だからね!」
「あッ!」
萌香が言い終わる前に桃井は走って帰ってしまった。
それを一部始終聞いていた赤司を除くキセキのメンバーたちは、
「…きいたッスか?」
「さつきとテツはともかく赤司と萌香がデートか・・・。」
「いやな予感しかしないのだよ。」
「代わりに俺がデートしたいんだけど〜・・・。」
「赤司っちにころされてしまうッスよ!」
ひそひそとおばさんのように話していた。
「やることは1つだけッス。」
キセキ達はゴクリと唾を飲む。
「尾行しかないッス…!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キセキ達が話していた同時刻、萌香と赤司は一緒に帰っていた。
「な、なあ征十郎。」
萌香は笑顔を装いながら赤司に尋ねた。
「なんだ?萌香?」
「あ、あのさ・・・さつきが一緒に遊ばないかっていうんだけど、征十郎も誘えって言われてさ…。も、もしよかったらいかない・・・か…?」
あの恥ずかしやがりで不器用な萌香がこうやって赤くなりながら誘うのは、桃井に言われたからとはいえ、赤司にとって古生代の恐竜が現代によみがえって暴れるぐらい珍しいことだった。
そんな赤くなって返事を待っている萌香に赤司は0,1秒ボーっとしていた。
「べ、別に来なくてもいいんだからなッ!」
痺れを切らしたのか萌香はぷいっとそっぽを向いた。
その声に赤司はハッと意識をとりもどした。
「…せっかくのお誘いだからな。行かせてもらいますよ。萌香お姫様。」
いつもの余裕の笑顔で『お姫様』だなんて不意打ちで言われてしまった萌香はさらに顔が赤くなった。
「な、何を言ってるんだ!…じゃあ、1時半に駅前広場の噴水の前だからな!」
タッと萌香は恥ずかしさのあまり走って行った。
「・・・ああ。」
そんな萌香を赤司は微笑ましそうに見ていた。
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「よし・・・作戦はこれでいくッスよ!」
奴やはまだ体育館にいた。
「ホントにやるのかよ・・・。」
青峰が呆れ気味に黄瀬に聞く。
「ね〜。途中で赤ちんとすり替わっていい〜?」
「やめろ。死ぬぞ。」
青峰が即答で言い返す。
「ひとの恋路に口をはさむのはよくないのだよ。」
「口じゃないッス!体全体ッス!」
「そういうこっちゃじゃないのだよ!」
「うるせえテメエら!!」
ギャーギャー騒ぐ黄瀬と緑間に青峰は耳をふさいだ。
「じゃあ、この作戦やるんだな?」
黄瀬、緑間、紫原は同時に頷いた。
三つ巴戦争開始!(?)