二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: NARUTO─木の葉忍伝 ( No.4 )
- 日時: 2012/07/09 09:18
- 名前: 近衛竜馬 (ID: AzSkpKat)
ども。おはようございます。眠いです。すいません。どうでもいいですね。では本編をお楽しみください↓
ナルトの父、ミナトは木の葉隠れの里の火影。それは里の忍び全員が知っている事だ。
そんな彼とその妻に子供が出来たという事で、ミナトとクシナは里の名家の元へ行き、ナルトを紹介しなければいけない。代々火影を務めている忍びは今の所、全員初代を務めた千手柱間の身内や直系の弟子ばかりだ。ミナトもその中の一人である為に、ナルトも将来そうなる可能性が高い。必ずしもそうという訳ではないのだが、そうでなくとも、火影の息子として、ナルトの顔を里の者達に見せておく必要がある。現在三歳のナルトの顔を知っているのは三代目火影を始めとする里の上役達や、この間家を訪ねたうちは一族の一部の人間ぐらいだ。そしてまずはセレモニーなどを開いて、一般市民や忍達に公開するのではなく、名家の者達の家を火影直々に尋ねて、先に挨拶をする、という事になった。
これから尋ねるのは日向一族の宗家。そして順番に、うちは一族、奈良一族、秋道一族、山中一族、油女一族、犬塚一族、そして猿飛一族に尋ね、最後にセレモニーを開いて里の忍全員に顔を見せる。うちは一族は、この間クシナが尋ねたのだが、それは一部の家だけだ。今回改めて一族全員に顔見せを行わなければ、それは里一、二を争う名家の存在を蔑ろにする事と同義だ。非常に面倒だが、それだけ名家の忍びと言うものは里にとって重要な存在であり、ミナトもそれを理解しているからこそ、それぞれの家を訪ねるのだ。
尤も、一番大きな理由としては、それぞれの家にはナルトと同い年、もしくは一つ違いの子供がいるので、ナルトの友達になってくれれば、というのがミナトの狙いだったりする。
「とーちゃん。ひゅーがいちぞくってなんだってばよ?」
ミナトは『言葉の意味を分からなくて片言で喋る俺の息子超可愛い!!』という親馬鹿な思考を表情に出しながらナルトに日向一族の説明をする。日向一族というのは、木の葉の中でうちは一族と肩を並べる、尤も天才肌の強い一族の片方だ。一族の者は全員、白眼という血継限界を所有しており、その眼は数百メートル先をも見通し、さらに透視や、忍びの身体の中に張り巡らされている経絡系を見る事が出来るという。ナルトはこの話を聞いて、血継限界や経絡系等の単語は解らなかったものの、「とにかくすげーいちぞくなんだな!」と幼い脳で理解した様だ。
日向一族のなかで尋ねるのは宗家と分家の内、宗家の方だ。この事でまた知りたがりのナルトがミナトに質問をしてきた。日向一族は宗家と分家に分かれており、簡単にいえば宗家の方が主人で分家が従者の家、という事だ。宗家と分家の間には確執があり、宗家に何かと都合の良いルールが決められているらしいが、ナルトや、日向の子供達はまだその事を知る必要は無い。
「ん!着いたよ。ナルト、まずはこんにちは、からだよ?」
ミナトを出迎えたのは日向ヒアシという、日向一族宗家の現当主だ。ヒアシはミナトに挨拶をした後、ナルトにそっと、眼をやる。日向一族特有の真っ白な瞳はナルトに少なからず緊張感を与えるが、ナルトはミナトに言われた通り、ヒアシに挨拶をする。
「波風ナルト三歳……です。よろしくお願いするってば……します」
若干普段の言葉が出てしまっているが、三歳にしては上出来な方だろう。と、ミナトは思う。その証拠にヒアシは礼儀正しいお子さんですね。とミナトに言った。恐らく社交辞令ではないだろう。と、ミナトは思いたい。
屋敷の中に入り、客室に向かう。ナルトは座るとき、ミナトが先に座って正座をするのを見て、自分も正しい座り方をする。そして暫くしてヒアシが連れて来たのはショートヘアーの少女だ。もじもじとしナルトとミナトに対して人見知りをする少女にナルトは幼心に何かを感じたが、それが何なのかは分からない。
「日向ヒナタです……よろしくおねがいします」
ヒナタと名乗る少女は顔を赤らめながらもミナトとナルトに対して挨拶をする。ナルトが
握手を求めたらヒナタも顔を赤らめながら手を差し出す。その様子を見てヒアシが驚いた顔を見せたのは何故だろうか。
その後、ミナトとヒアシが暫く談笑した後、ミナトはナルトを連れて、次に尋ねる予定のうちは一族の居住地区に向かった。
ミナトがヒアシの家を後にした直後、ヒアシはヒナタに声を掛けた。
「お前が、他人の握手を受けるなど、珍しいな……」
ヒアシがそう言ったあと、ヒナタは顔を一気に赤く染め上げて逃げるように他の部屋へ走って行った。ヒナタはいつもなら握手を求められたら恥ずかしがって逃げてしまう。なのにナルトの握手を受けたという事は────
「まさか……しかしヒナタはまだ三歳だ……うーむ。相手が火影様の息子ならば、此処は見守るべきか……しかしヒナタは……!!」
ヒアシの事を厳しい父親と認識している日向の人間は知らなかった。娘を誰にも取られたくない親馬鹿がここにもいた事を。