二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

Re: 君より背の高い 【APH・カゲプロ短編集】オリキャラ募集 ( No.9 )
日時: 2012/07/31 09:45
名前: 陽菜 ◆y/0mih5ccU (ID: c9ok9eqZ)

 その……椋鳥と言ったっけ。
 椋鳥さんが、口を開こうとした、その時。


 ————倒れて、しまった。
 

 え、な、何で!!?
 少し混乱状態に陥った私だが、すぐに原因が分かる。


 服装は、灰色のパーカー……、つまりは、長袖である。
 こんなクソ暑い炎天下で長袖なんか着てるから、
 熱中症にでもなったんだろう。


 って、一人で納得してる場合じゃない。
 何処かに運ばないと……。
 一つしか、思い浮かばない。


「……アジトに運ぶしかない……よね」
 秘密がどうのこうのよりかは、人命の方が……。
 そんなわけで、おんぶする。
 

 ……すごく軽かった。


     *


「か、帰ってきましたー……」
「おう、お帰り……って、誰背負ってるんだ?」


 はは、そりゃつっこまれますよね。
 うーん、何て説明したらいいんだろう。


「……声を掛けられて、少し話して、その後倒れました」
「すげえ雑な説明だなオイ」


 いや、事実なんですよ……。
 というか、私説明するの苦手なんです……。


「まあ、起きたら帰ってもらえばいい話だしな」
「あ、その前に聞きたい事があるんで、聞いてからでいいですか?」


 何で、私って分かったのか。
 帽子も被り(熱中症対策もあるけれど)、完璧に顔は見えないようにしてたはず。
 ……無意識で能力を使ってたのかも?


「……ん……」
「あ、起きたみたいだねー」


 カノさんが、こちらを覗きこむ。
 熱中症でなく、ただ目眩がしただけなのかもしれない。こんなに早く起きる辺り。


「………………」


 椋鳥さんは、ボーっとしていて、此方を見ているのかさえ分からない。
 目の焦点が合ってない。


「あっ」
と。
いきなり声を出したかと思うと。


「いやー、いきなり倒れちゃって本当悪かったよー。貧血で倒れるとか……“僕”どんだけ女の子!? 笑えて来る……アハハハハハハハ!!!」


 そんな調子に、全員沈黙。
 あれぇ……。
 さっきとキャラ違いません……?


「おい、キサラギ……。お前、こんな奴と分かってて運んで来たのか……?」
「いやー、キサラギちゃん、お人好しー」


 そんな二人に反論する。


「……最初話した時、敬語口調だったのですけど……」
「あぁ、だって僕二重人格だし?」


 サラッと凄い事を言う椋鳥さん。
 え、ちょ、え?


「んまぁ、この性格についていけないんなら、深の方に戻すよ」
「え、ちょ、展開早」
「あは、すいませーん。まぁ、知らない方もいるので、改めて自己紹介! と行きましょうか」


 少し、間を開けて。


「えーと、先程は迷惑を掛けたようで。失礼致しました。僕は、椋鳥夜月。————簡単に説明しちゃえば、二重人格者であり、鬼の末裔ですね」
「は?」
「え?」
「はい?」


 最後の言葉に、全員が聞き返す(マリーちゃん除く)。


「お、お、あ、え、お?」
「鬼」


 サラッととんでもない事を((ry


「ふわっふー!! いや、やっぱりこの反応見るの楽しい————!!」
と、無邪気に喜ぶから。

 嘘なのかな、と思って。


「嘘……ですよね?」
「いえ、本当ですが」


 ……メデューサの末裔やら鬼の末裔やら。
 どんだけだよ、此処。
 というか、あれ……。此処って日本じゃないっけ……。