二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

冷凍食品は神 ( No.5 )
日時: 2012/07/08 22:20
名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)

「午後からは校舎案内すっから、一時までに昼飯食えよ。」
大方の説明が終わったらしく、松平は教室から出て行った。現在の時間は十二時十分。
昼食をとるのに丁度いい時間だ。
だがどことなく弁当を広げづらい。読者の皆様も一度はこの『行動したいけど目立つのは嫌だから早く誰か動けよ!』的な空気を味わったことがあるだろう。教室には今、その空気が充満しているのだ。
と、その時、教室に椅子を引く音が響いた。反射的にクラスの全員がそちらのほうを見る。
音を立てたのは先程の銀髪の生徒だった。彼は自分に向けられている視線を気にもせず、隻眼の生徒、
高杉の席に近づいた。
「晋、弁当。」
「ったく、他に言うことねぇのかよ銀時。」
高杉がやれやれといった風に言うが、銀時は弁当!と言って手を突き出すだけだ。
「銀時、人にものを頼むときは丁寧な言葉を使えといつも言っているだろう。ということで晋助、弁当 を出せ。」
「テメェも丁寧な言葉使えてねぇじゃねーか。」
「アッハッハッ!そがなこと気にしとるきに、おんしは背が伸びんのじゃ。」
「るっせぇ馬鹿本。その毛玉むしり取ってやろうか。」
坂本を睨みつけながら、高杉は鞄の中に手を突っ込む。
しばらくして出てきたのは白、青、紫、赤のバンダナに包まれた弁当箱だった。
銀時は白、桂は青、高杉は紫、坂本は赤の弁当箱を取り、高杉の席を囲むようにして自分の席から
持ってきた椅子に座った。
「よし、では手を合わせt「いっただっきまーす!」最後まで言わせろオオォォォオ!!」
言葉を遮った坂本に桂が怒鳴る。あとの二人はそんな桂達を放置して弁当を食べている。
「晋助ェ、オメーが弁当作ると白米以外全部冷凍物になるのはなんでだ。」
「楽だしウメェし、神だろ冷凍物考えた奴は。」
「うん、だから何?」
周りからの視線に気付いているのかいないのか、賑やかに食事をする四人。その声をきっかけにして
少しずつだがクラスメイト達も弁当を広げ始めた。
「・・・土方君。」
「・・・なんだ。」
「あの四人、目立つうえに色々謎だね・・・。」
四人の方を見ながら言う伊東に土方はうなづく。
髪や目の色も目立つ原因の一つだが、全員が小奇麗な顔をしている。その証拠に先程から女子達が
ちらちらと彼らの方を見ている。
しかしそれよりも気になるのが、高杉が四人分の弁当を持っていたということだ。
ただ単に持たされていただけなのかと思ったが、さっきの会話を聞く限り四人分の弁当を高杉が作ってきた(というより解凍してきた)ように聞こえる。
「あいつ等どーいう関係なんだ?」
そう呟いて、土方は自分の弁当に盛大にマヨネーズをぶっかけた。