二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

人の色恋に口をはさむな ( No.6 )
日時: 2012/07/08 22:21
名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)

*為五郎の妻の名前捏造。


松平に校舎を案内され、様々な説明を聞いた後解散となった。
校門を出た土方は恋人のミツバを家まで送り届け、家路についていた。
「畜生、総悟の奴覚えてろよ・・・。」
そう呟きながら歩く土方の眉間には皺。どうやらミツバの弟の沖田総悟に何かやられたらしい。
「次会ったらブッ飛ばす・・・!」
土方から立ち上る黒いオーラ。そのオーラによって通行人が彼を避けて歩いて行くが、土方は気づいていない。
沖田に加える予定の制裁を考えていると、いつの間にか家の前に着いていた。考え事をしていると色々なものが短く感じられる。
土方が玄関を開けて家の奥に向かってただいま、と声をかけると、兄の為五郎のおかえりという声が聞こえた。
土方は靴を脱ぐと二階にある自室に向かい、鞄をベッドの上に放り投げる。
鞄はベッドの上で大きくバウンドし、床に落ちた。
「トシ。」
自分を呼ぶ声にドアの方を見ると、手に杖を持った為五郎が立っていた。
「どうした?」
ジャージに着替えながら言うと、為五郎は持っていた杖で足元を確認しながら土方に近づいてきた。
「どうだった、銀魂高校は。」
床に落ちていた鞄を避けて為五郎はベッドに腰掛ける。ギシリとベッドが音を立てた。
「来賓の話が長かった。眠かった。あと目立つ奴等がいた。」
「ほとんど高校と関係ないじゃないか。というか目立つ奴って誰だ。」
そう尋ねる為五郎に、土方は今日あったことを話した。
「それ本当に地毛なのか?茶髪はまだしも紫黒や銀色なんて聞いたことがない。」
それにカラーコンタクトを入れてないかなんてパッと見分からないだろう?と、続ける為五郎の表情はどこか苦々しい。
「そりゃそうだが、先生に怒られそうになったときのあいつ等、すごい迫力だった。」
あの威圧には自分達の色への誇りが感じられた。染めたり、カラーコンタクトをしていたりすればあの迫力は出せないだろう。
「なるほどなぁ・・・。まぁ、これから楽しくなりそうでよかった!」
勝手に納得して笑う為五郎の顔に、先程までの苦々しさはない。
土方は自分の頭に乗せられていた手をさりげなく外すと、部屋を出る。
「あ!どこに行くんだトシ!」
「もうすぐ夕飯だろ。のぶ代さんの手伝いしてくる。それぐらい分かれよな。」
のぶ代というのは為五郎の妻の名だ。彼女は、土方とかなりの歳の差があるため、義理の姉というより母親に近い。
それは為五郎にも言えることで、最早兄というより父親だ。
他人から見れば、三人は兄弟ではなく親子に見えるだろう。
「全く口の悪い奴だな。そんなんだとミッちゃんに振られちまうぞ。」
「なっ!ミツバは関係ねぇだろ!!」
足を止め、顔を赤くする土方。為五郎は笑いながらベッドから立ち上がった。
「いやぁ、お前みたいなマヨラーで瞳孔開いてる男に彼女ができるとは。世の中分からないもんだ。」
「余計なお世話だ!つか何で瞳孔開いてるかなんて分かるんだよ!」
「のぶ代が言ってた。」
「のぶ代さんんんん!!」
顔をさらに赤くして叫ぶ土方。笑う為五郎。土方に名前を呼ばれ、一階から返事をするのぶ代。
土方家は今日も騒がしい。