二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ

桂小太郎誕生日小説 胡蝶と青花 【壱】 ( No.6 )
日時: 2012/07/08 22:38
名前: 無雲 (ID: C5xI06Y8)

ハッピーバースデー、ヅラ!
君への愛をこめたら無駄に長くなったよ!

・泡沫の花設定
・ほのぼの……なのかこれ
・初の桂視点=文章が下手


「かっつら先生!」
妙なリズムで名を呼ばれ、俺は書を書く手を休めた。
開け放たれた襖の向こうには満面の笑みの新岡がいて、その後ろには青嵐隊士の姿も見える。
「どうした皆して。」
すると新岡はさらに笑みを深め、隊士たちも微笑みを浮かべた。
『           。』

書き上げた書簡を持って廊下を歩いていると、前方から銀時がやってきた。
相も変わらず腑抜けた顔をしているので一言言ってやろうと口を開きかけたが、それよりも早く
『           。』
と言われた。
まさか奴の口からそんな言葉が出るとは思っていなかったから、少し驚く。
どうやら間抜けな顔になっていたらしく、銀時に馬鹿にされてしまった。
貴様よりましだと思うのだが。

銀時と別れ、晋助の部屋に向かう。手紙を届けるには奴の部下、閃を使うのが一番なのだ。
「あ、桂さん。」
手間が省けたとはこのことか。
閃が俺の方に駆け寄ってきた。何故か手に細長い箱を持っている。
『           。』
青いリボンのかかった箱を差し出し、閃は薄く笑う。
こういうときよく思うのだが、こいつの男性ホルモンはどうなっているのだろう。
思ったことを口に出さずかわりに礼を言うと、閃はクスクスと笑いだした。
俺は何か面白いことでもしただろうか。
「いえ、何でもありませんよ。」
ひとしきり笑うと閃は手紙を出してきますと言って、行ってしまった。
一体何なのだ。

部屋に帰ると茶色の毛玉がいた。
人の部屋に勝手に侵入し、あろうことか茶をしばいている馬鹿の頭に手刀を落とす。
「いったいのう。暴力はいかんぜよヅラ。」
攘夷志士が何を言っているか。そしてヅラじゃない、桂だ。
辰馬は俺の言葉を聞いて苦笑すると、部屋の文机の上に何かを置いて出て行った。
机を見るとエリザベスによく似たぬいぐるみがこちらを見つめていた。そしてそのすぐ横には
『           。』
と書かれた紙が一枚。
「馬鹿のくせに字だけは達筆だな……。」
筆で書かれたであろう黒い字は、見事なうねりを見せていた。