二次創作小説(紙ほか)※倉庫ログ
- Re: キングダムハーツ 〜輝きの中の闇〜 tairylegend ( No.13 )
- 日時: 2013/03/05 23:42
- 名前: ムース (ID: /gz88uq5)
「……………………っ………………!?」
次に目を覚ました時、そこは見慣れない天井の家だった。
「ここ、は………?」
リヤンは記憶をたぐり寄せた。
「そっか、シエルが倒れてあわててたら、私も気を失ったんだ………あれ…?」
何か、喪失感がある。それに、この世界に漂う雰囲気が、何だか……………闇に覆われた世界の雰囲気に酷似している気がする。
「………この喪失感は、多分……私が気を失っている時に見たあの……夢…かな、まぁそれが関係してると思うんだけど………」
少しずつその夢が曖昧になってくる。仕方がないので、とりあえず外に出ることにした。
「………あ、リヤンもう大丈夫なのか」
「…うん、大丈夫!心配かけたね」
「…起きたばっかりで悪いが、とりあえずこれを手伝ってくれ」
外に出ると、ソラ、リク、アル、ルナがキーブレードを構え、海の向こうを睨んでいた。アルが一番最初にリヤンに気がつき、声をかけてきた。その次に、ルナの少し焦りが見え隠れする声で、手伝ってくれ、と頼んできた。ソラとリクは、何も言わずに海の向こうを睨んでいた。
皆が見ている方をリヤンもみて唖然とした。海の向こうが真っ黒に染まっていたのだ。そこから放たれる闇の力から、さっきから感じている闇の雰囲気もこのせいか、なら多分ハートレスだろうと思って、更に驚いた。ここはセブンスプリンセスの一人カイリがいる世界なのだ、光が満ち溢れているこの世界に闇のハートレスが現れるなど考えにくい。
「る、ルナ!て、手伝うのはいいけど、これはどういうことなの!!?だってここはセブンスプリンセスのカイリのいる世界なのに」
「カイリさんとナミネ母さんが倒れた………何故かは…わからない」
「……ごめんなさい」
「…別にいいさ、仕方ないし」
セブンスプリンセスであるカイリとそのノーバディーであるナミネが倒れたと聞き驚いたリヤンだったが自分の母が倒れたのだ辛くない筈がない、あわてて謝った。
「……来たぞ!!」
はっとして振り向くと思ったよりも大量のハートレスがこちらにやって来た。
「父さん!ちょっと量が多くないか!?」
「…んなこと言われても!」
魔法で迎撃しているがあまりにも数が多く、どんどんやって来る。
「任せてよ!」
「「「リヤン!?」」」
「……………」
突然、任せて、と言い切り、前に出たリヤンをびっくりして見つめる、ソラ、アル、ルナの三人と成り行きを黙って見ているリクの前でキーブレードをもう一本出して、クロスさせ地面に突き刺した。
「…………………我は、空に瞬く明るき闇と地に輝く瞑き光よりいでしもの…また、それをわが名のひとつとするもの……闇のモノであり光のモノであるものよ、それがしが主…わが命に従い我の敵を葬らん!!」
そして、長い言葉を紡ぎ終わると同時に、真っ黒だった空が、真っ白な光に包まれ、あまりの眩しさに、皆目をかばった。光が収まって目が見えるようになると、キーブレードの代わりに、白を多めに混ぜたきみどり色の肩につかないざんばらな髪で色白の肌、少しつった紫色の瞳をした、10歳になるかならないかぐらいの少年が、こちらを向いて立っているのがわかった。
「あいつ、誰?」
「……うーん、私の守護神的な……まぁ神様じゃないけど(笑」
「久しぶりだなリヤン………つーか俺の平安奪って久しぶりに呼び出したかと思ったら、あんな大量のハートレスやらせるなんて、酷すぎるだろ!」
「ハハ、ごめんよテイル(棒読み」
「テイル?」
「ああ、テイル・エンペラー それが俺の名前だ」
年下にしか見えないのに上から目線でものを言ってくるテイルとルナ&アルはすでにケンカに入ろうとしていたが、次のテイルの一言にその威勢を削がれることとなった。
「お前ら感謝しろよ、この俺があいつら全部やってやったんだからな」
「「は………?」」
「あ、お前ら信じてねぇな!!」
「テイルの言ってることはほんとだよ(苦笑」
あんなに大量にいたハートレスをこのガキんちょがあの一瞬で倒したと思えない。とばかりの顔をしているリク&リヤン&テイル以外の人達は、リヤンがテイルが言ってることが本当だ、と言われて更に驚いた。
「んじゃ俺、もう帰るから」
「あ、うん、じゃあね〜」
また、視界が真っ白に染まり、視界が戻った時にはもういなかった。
「なんなんだあいつ」
「ごめん、テイルはああいう性格だから…………そういえば…シエルは?」
「まだ……」
「………………………そっか…………そうだ、もう、帰らなきゃ…恐い人に怒られちゃう……………」
「またね……」
「またこいよな」
「リヤンが来るの楽しみにしてるからな!」
「もう来なくてもいいぞ〜」
「!!………うるさいよ、この……………バカリクがァァァァァァァァ!!!!!(殴&蹴」
「「「………………(汗」」」
「ふぅ………んじゃ今度こそ帰るわ(スッキリ&爽やかな笑み」
「バイバイ」
「またな〜」
ソラたちに見えないところまできたリヤンは、闇の回廊を出して、その中に駆け込んでいった………
それを影がじっと見つめていることに気がつかずに………
やがて影は闇に包まれた。